toranekodoranekoのブログ

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夏の日のブラームス( 合奏団ZERO第30回定期演奏会)



ホームページより
【合奏団ZERO】

音楽監督・常任指揮者として、松岡究氏を迎え、松岡氏の目指すより深い音楽表現を実現することを目的に都内のアマチュアオーケストラ有志によって設立。
楽譜に真摯な姿勢で向き合い、音楽の持つ「歌」を追求するオーケストラとし活動を続けています。
決して派手ではないものの、このオーケストラでなければ生み出せないフレーズ感や歌心のある音楽を目指しておりますので、ぜひ応援のほどよろしくお願いいたします。




合奏団ZEROの皆様へ
                        玉上 信明(たまがみ のぶあき)


私が「合奏団ZERO」のコンサートにお邪魔したのは、2019年頃からだったかと思います。コロナの間にも中止することなく活動を継続されていた、とうかがいました。
コロナがようやく落ち着き、今年の2月の第29回定期演奏会に久しぶりにお邪魔する事ができました。


第29回定期演奏会
2023年2月18日(土)杉並公会堂 大ホール
R.ワーグナー/舞台神聖祝典劇「パルジファル」より
       前奏曲と聖金曜日の音楽
G.マーラー/交響曲第5番 嬰ハ短調


そして、8月19日の第30回を楽しみにして参りました。
第30回定期演奏会
2023年8月19日(土)杉並公会堂 大ホール
J.ブラームス/ピアノ協奏曲第1番 ニ短調
 *ピアノ独奏:阪田知樹
J.ブラームス/交響曲第1番 ハ短調


思いつくままに感想を連ねてみました。


ピアノ協奏曲第一番


オーケストラの巨人とピアノの巨人が相まみえて、1つの大きな世界を作っていきます。
元々、2台のピアノのための曲だったものを、ピアノ協奏曲に仕上げた、とのことですが、
ピアノが主で、オーケストラは伴奏、というそれまでの常識を覆したのだそうです。
ピアノとオーケストラ、どちらが前に出ても、ともに演奏しても、聴く者の心は眼前の世界に夢中で没頭する限りでした。
ピアノ独奏阪田知樹様の、あの輝かしい音色は忘れられない思い出になりそうです。
息子ともども身を乗り出して聴き入った、ということだけお伝えしたいと思います。


交響曲第一番


幾度も聴いた名曲です。その都度に様々な感動がありました。
その中でも、この日の演奏は、また別の印象でした。
楽章が進むにつれて、聴いている私たち自身がどんどん前のめりになっていきました。


「ベートーベンの第10交響曲」といわれて、ブラームスは本当はどのように思ったのでしょうか。
私も「ベートーベンの第10交響曲」という言葉が間違っているとは思いません。
但し、ベートーベンの後を継いだのではなく、ブラームス自身の独自の世界を切り開いて、交響曲の新しい姿を世に問うたのでしょう。
今回の演奏は、ブラームスのその渾身の思いを皆様の力でよみがえらせたのです。


終楽章の主題が、あの第9交響曲の主題と似ている、と言われてブラームスは「耳の悪い奴にはそう聞こえるのだろう。」と怒ったそうです。
これも、「似ている」という言葉の意味次第でしょう。
交響曲の大きな広がりの最後を、2人の大作曲家がそれぞれの思いを込めて締めくくった、という意味で似ているのです。
私なりには、ブラームスのメロディの素朴な美しさに惹かれます。
ベートーベンのような大天才ではなく、一人の男として、精進を重ねて遂に行き着いた境地を素朴に表したメロディのように思われるのです。


私は元々チューバ奏者なので、どうしても金管の響きに惹かれます。
なんといっても、あの小柄な女性奏者がでっかいバストロンボーンを堂々と吹き鳴らす様に胸が熱くなりました。


終演後、公会堂のレストランで食事をして帰るときに、ヴァイオリンとコントラバスの方に出会いました。
「お疲れさまでした。有難うございました。」その言葉が、自然に口を突いて出ました。


改めて申上げます。
有り難うございました。


【ご参考】私なりの駄文をいくつか。


①第22回定期演奏会の感想


②ブラームス交響曲第1番に寄せて
この曲の別の演奏の感想です。これもその時の素直な感想であり、ブラームスの別の一面を見ることができたと思っております。


③ブラームスとシューマン、ドヴォルザークの結びつき


④チューバ奏者の思い出


虎猫

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