toranekodoranekoのブログ

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セザール・フランク「交響曲二短調」(東京農工大学OB 管弦楽団第35回演奏会)





私の高等学校の音楽の先生がセザール・フランク大好きな方で、音楽の時間にこの「交響曲二短調」のレコードを 聴かせていただきました。
私も1度で大好きになりました。もう半世紀以上前のことです。


その後、カラヤンが確かパリ管弦楽団を率いて来日し、この曲を取り上げ、素晴らしい名演で、我国でもファンが一気に増えたそうです。


レコードやラジオ等で幾度か聞く機会はありましたが、生演奏を聴いたことはなく、 是非聴きたいものだと、ずっと願っていました。


願いがかなえられました。


東京農工大学OB管弦楽団第35回演奏会(楽団HPより)
(2023年 10月29日(日)14:00開演 府中の森芸術劇場 どりーむホール)
♪ サン=サーンス/ 歌劇「サムソンとデリラ」より バッカナール
指揮:藤原祥吾
♪ フォーレ / 組曲「ペリアスとメリザンド」
指揮:湯脇草馬
♪ フランク / 交響曲ニ短調
指揮:藤原祥吾
コンサートマスター:甘利舞
団長:川田泰孝
* 湯脇君がフォーレ「ペリアスとメリザンド」で指揮者デビュー!
* OBオケとしてフランクの交響曲も初演奏。
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プレコンサートのクラリネット6重奏「人生のメリーゴーランド」で期待が高まり、
本番では、華やかな「サムソンとデリラ」、あのチャーミングな「ペリアスとメリザンド」


休憩の後、いよいよフランクです。
曲が始まり、少しずつ進む中で、不思議な感覚にとらわれました。
この中に、最終楽章まで貫かれる内容が凝縮されている。曲の最後までの見通しが、ありありとわかるような、そのような感覚でした。
こんな曲だったのだ。こんなすごい曲だったのだ・・・。


たとえていうならば、遠くにある巨大な建造物。近づくにつれて、その全体の構造、細部までが、徐々に明らかにされていく。そのような感覚です。
1週間たった今でも、あの曲のメロディーの一つ一つが、分厚い響きの塊が、頭の中にまだ残っています。


私は元々がチューバ奏者なので、あの女性奏者のチューバのパワフルな響きには、本当に魅せられました。まだ現役でチューバを吹いていた時に、できれば、一度フランクの交響曲に取り組んでみたいと思っていました。もはやその夢はかなえられませんが、このようにして、素晴らしい演奏に接することは、今でもできるのです。


第一楽章の堂々たる締めくくりに、思わず会場から拍手が起きましたね。本当は私も拍手したかったところです。


第2楽章のあのコーラングレ(イングリッシュホルン)。一度聞いたら忘れられないあのメロディー。
私の父は、音楽は苦手だと言っていましたが、たまたまラジオで、フランクの交響曲が流れていた時、このメロディーを聴いて、「素晴らしいメロディーだね、何という曲?誰が作曲したの?」と私に尋ねてきて、一緒にこのメロディーを口ずさんでいました。


第3楽章
巨大な交響曲が、遂に全貌を表します。新しいメロディーだけではなく、第1楽章第2楽章のメロディも形を変え、さらに大きな姿となって眼前に表れてきます。
一つの世界がここに完結します。
指揮者も奏者もそして会場の一人一人も燃え立つ中、ついに結末を迎えるのです。


割れんばかりの拍手
指揮者がそれぞれのパートの方を感謝をもって褒めたたえる。


私はこの中ではとりわけ、ハープがこれほどまでに豊かな表情を持ち、オーケストラを広く支える貴重な役割を持っていることに改めて気づかされました。


アンコールは、あの定番の「アルルの女」ファランドールです。
この夜のフランスものの締めくくりにふさわしい熱く楽しい演奏でした。


虎猫

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