ベルリンは晴れているか(深緑野分)
Berlin in July 1945 (HD 1080p color footage)
皆さんこんにちは。
アーニャです。本名明日香、花の JK (女子高生)です。
年金生活者のニックパーパチカと一緒に多言語広場セルラスというところで多言語活動をしています。といっても、ニックパーパチカは、新型コロナ騒ぎ以来、いささかやる気をなくして最近おサボり中です。
今日皆さんにご紹介するのは、私と同い年17歳のドイツ少女の冒険です。
第2次大戦直後、連合軍4ヶ国に分割占領されているベルリン。
英語ができるのでアメリカ軍の食堂に仕事を見つけて働いている少女アウグステ。
突然アメリカの憲兵に拘束され、何と、ソ連軍の憲兵に引き渡されます。
アウグステはソ連軍がベルリンに進行してきたときに、ソ連兵にレイプされそうになり、銃を奪ってその兵士を射殺したことがあります。
その事件がばれたのかと思いきや、とんでもないことを言われます。
自分の両親がナチスに殺害されて孤児になったときに、自分を救って育ててくれた人がいます。
ソ連の憲兵によると、その恩人が何者かに毒殺され、アウグステが犯人ではないかと疑われているというのです。
真相を究明するため、アウグステは、ベルリン中を駆け回ります。
ブログの冒頭に掲げた1945年占領下のベルリンです。
そのベルリンの模様が描写される中、ナチスに蹂躙されてユダヤ人や共産党員が排斥されていく過去の姿がフラッシュバックのように点描されます。
普通の人々がどのように反ユダヤに陥っていくのか、異様なリアリティを持って迫ってきます。
そして、共産党員だった両親は迫害されて殺されていきます。
ナチスの悲劇は、ナチスの圧制によってなされたのではなく、ごく普通の市民たちが不思議な信念と情動に駆り立てられ、知らず知らずに自らが加害者となっていったのです。
この17歳の女の子は、その中でどのように振る舞ったか。そして、そして今、占領下のベルリンでユダヤ人の俳優を相棒にして、犯罪事件の真相に迫っていきます。
物語は二転三転、不思議な結末にたどり着きます。
ちょっと長い小説ですけど、読み始めたらやめられません。
ニックパーパチカなんか、枕元に置いて夜中に目が覚めると読みふけっていたようです。
深緑野分さんというのは、不思議な小説家です。
これ以外も第2次大戦物では「戦場のコックたち」、そして、出世作となった「オープランの少女」など、読みごたえバッチリです。
読書の秋、ぜひ手にとってみてくださいね。
、
ニック&アーニャ