「働き方改革」はすでに始まっている(2019年4月施行済)
「働き方改革」はすでに始まっています。2019年4月に大企業も中小企業も施行済の項目があります。
①年休付与義務
②労働時間の状況の把握義務
管理監督者等も対象です。
○労働時間の状況の客観的方法等による把握義務(管理監督者・裁量労働制適用者を含むすべての労働者)(高度プロフェッショナル制度適用者だけは除く))
(労働安全衛生法 66 条の8の3:罰則はないが、使用者の安全配慮義務の判断に影響)
働き方改革関連法により2019年4月1日から「産業医・産業保健機能」と
「長時間労働者に対する面接指導等」が強化されます
「労働時間の状況の把握は、労働者の健康確保措置を適切に実施するためのものであり、その対象となる労働者は、高度プロフェッショナル制度対象労働者を除き、①研究開発業務従事者、②事業場外労働のみなし労働時間制の適用者、③裁量労働制の適用者、④管理監督者等、⑤派遣労働者、⑥短時間労働者、⑦有期契約労働者を含めた全ての労働者です。」
私が懸念するのは、例えば、過労死等の労災民事訴訟で、労働時間管理の文書提出命令が発せられたら、使用者側には致命的な不利益になるのではないか、ということです。
例えば・・
「管理監督者は労働時間管理の対象外だ」と思い込んで、労働時間管理資料などを作成保存していなかった。
労働者側の申立てで、文書提出命令が発せられた。使用者が提出できなかったため、労働者側の主張が正しいとされてしまう・・
(民事訴訟法220条、224条参照)。
実務的には、このように文書提出命令を介するまでもなく、本来あるべき書類を提出できないとなると、相手方有利に事実認定されても仕方がない、というのが、裁判の傾向だそうです。
少なくとも、管理監督者や裁量労働制対象者についても労働時間を把握できる資料は、しっかり作っておく必要があります。どうかお忘れなく。
【参考】
文書提出命令とは|法的効果と申立て手順をわかりやすく解説|労働問題
銅鑼猫