「高度プロフェッショナル制度」を改めて考え直す。
働き方改革の中で高度プロフェッショナル制度につき細部検討がされている。
シンプルに考えるべきだ。「過労死・過労自殺を起こした会社には認めない。高プロ導入後に過労死・過労自殺が発生したら、制度を廃止し過去に遡って対象者全員に割増賃金を支払う。」
高プロが柔軟な働き方で生産性向上に役立つ、というのは可能性に過ぎない。過労死・過労自殺が発生する会社は、労使の自治に任せていては労働者の生命すら守れない、ということではないか。現実に労働者の生命が失われるのを見ながら「柔軟な働き方」など唱えるのは笑止千万だ。
罰則つき時間外上限規制の導入は、国家として命を失うような働き方は許さない、もはや労使の自治に任せることはできない、という意味である。高プロはなおさらのこと、導入が許されるのは、労使とも高い倫理観を持ち、労働者の生命と健康を守る責任を果たせる会社に限るべきだ。
思うに、人の生命と健康を守る厳しい規制こそがイノベーションを生む。我国の自動車産業が厳しい環境規制に真摯に取り組み世界に冠たる地位を築いたのが好例ではないか。
逆に姑息な規制逃れの道を探るものに未来はない。淘汰されるだけだと知るべきである。
【注】7月13日に朝日新聞「声」欄に投稿してみましたが、ボツになったようです。
以前からも様々申し上げてきている内容ですが、500字に纏めたもので、参考までにお届けします。
銅鑼猫