宝塚歌劇団事件から読み解くハラスメント対策のヒント(12月8日タイトル変更・解説動画など追加)
ハラスメント対策のヒントをいくつか集めました。
きっかけは、宝塚歌劇団の事件です。
弁護士の調査報告書におけるパワハラの事実認定の問題を考えるヒントになると考えたものです。
厚労省などがハラスメント対策にこれだけ真剣に取り組んでいることをよく理解してください。安直な事実認定・粗雑な対応は許されません。
【解説動画です】
宝塚歌劇団ハラスメント問題の教訓
1.厚生労働省の「あかるい職場を応援団」
パワーハラスメント対策導入マニュアル(第4版)
37頁
事実関係の確認
• 相談者の了解を得た上で、行為者や第三者に事実確認を行いましょう。
• 行為者に対して事実確認を行う際には、中立的な立場で行為者の話を聴きましょ
う。また、相談者の認識に誤解があった場合にも、報復などは厳禁であることを
伝えましょう。
• 相談者と相手の意見が一致しない場合には、同席者や目撃者は、同様のパワーハ
ラスメントを受けている者に事実関係の調査を行います。
• 第三者に話を聞くことで、当該問題が外部に漏れやすくなるので、第三者にも守
秘義務について十分理解してもらい、事実確認を行う人数は、できる限り絞りま
しょう。
• 相談者、行為者、第三者の意見が一致するとは限りません。それぞれの主張を合
理的に判断する情報と考えるようにしましょう
【具体的な対応例が詳細に掲載されています。タイトルの一部を示します。】
38頁
第三者への事実確認の実施例
~相談者と行為者の主張が一致しない場合~
40頁
行為者への対応例 ~パワーハラスメントがあったと判断できないが、
事態が悪化する可能性がある例~
職場における
・パワーハラスメント対策
・セクシュアルハラスメント対策
・妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント対策
は事業主の義務です︕
2.東京労働局のお役立ち資料
3.東京商工会議所の資料
58頁
●ハラスメントに該当する行為の認否に時間を割くのではなく、問題となっている言
動が直ちに中止され、良好な職場環境を回復することが優先されます。事実確認が
完了していなくても、当事者の状況や事案の性質に応じて、被害の拡大を防ぐため、
被害者の立場を考慮して臨機応変に対応します。
4.朝日新聞記事(ハラスメントの二つのレベル)
5.玉上の解説資料
ハラスメントというのは、社員個人の尊厳を損なう行為です。恥ずべき愚行です。ハラスメントという洒落た外国語から、ついつい軽く考えていませんか。
ハラスメントは、簡単に言えば、他の社員をからかい・嘲り・あるいは陰口の対象にすることです。社員がお互いを信頼・尊重する社風を蝕み、士気を損なっていきます。
ハラスメントの本質は、「社員相互の信頼・尊重の気風があるか、それを蝕む行動がないか」と見るべきものです。他の社員をからかい、あざけり、陰口を言う風土は、やがて顧客や社会を軽んずる姿勢(例えば、顧客を金儲けの手段として扱う風土・意識)をすら生じかねません。さらには不正の誘因にすらもなりかねないものです。
経営者は、このようなハラスメントの危険性をはっきり認識しておくべきです。
銅鑼猫(社会保険労務士・健康経営エキスパートアドバイザー 玉上信明)