「残業学」これは必読!
「残業学」中原淳+パーソル綜合研究所
働き方改革を考える企業の皆様、社会保険労務士ほかコンサルタントの皆様。
この本は必読です。
残業が起こるメカニズム、改善の方法を、データとエビデンスに基づき、明確に分析し、具体的な解決策が提案されています。
それも、分りやすい講義形式でとても読みやすいです。
少しだけ内容を紹介します。
①底なし残業の裏にある2つの無限(66頁以下)
時間の無限と仕事の無限
時間も仕事も制限せずに働いてきた、働かせてきたのです。
時間の無限はわかりやすいでしょう。
仕事の無限について少しご説明します。
担当の仕事の内容が明確なら、自分の才覚で手早く片付ける、といったことも可能でしょう。我国では、担当の仕事が不明確なため、「この仕事もやっておいて」とばかり、仕事のできる人にますます仕事が集中していくのです(150頁など)。
②残業麻痺による見せかけの達成感・幸福感
「若いうちは、残業しないと成長できない。」
これは、間違いです。残業時間が長くなればなるほど他の人からのフィードバックを受けられなかったり仕事を振り返る余裕がなくなったりして、成長を阻害します。職場外での学びの機会も失われているのです。(129~130頁、136頁など)
③働き方改革は、なぜ効かないのか(208頁以下)
ノー残業デイはなぜ失敗するのか。他社の施策をコピペして、経営者の鶴の一声で、お触れ書きみたいに強制するからです。面従腹背に繋がるだけです。
そこから解決策への提案が行われていきます。
あとはぜひ本書をお読みください。
銅鑼猫