toranekodoranekoのブログ

虎猫・銅鑼猫など様々なブロガーが参加しているサイトです。クリスチャン、社会保険労務士、多言語活動家、女性キャリア官僚、科学ライター、うるさいばあさんまで、多士済々。お楽しみください。

クリスチャンブロガーが綴るブログです。
明るい高齢化社会、病から得た様々な宝、世の中の動きへの警鐘(銅鑼)を鳴らすこともあります。
ときどき大阪弁も出てくる聖書物語もお楽しみに。
主催者のほか様々な協力者も登場します。

ビックモーター事件でやはりわかった。内部通報制度は役に立たない。(8月3日追記)


今回のビッグモーター事件で、なぜ誰も内部通報しなかったのか、という意見があります。
「社内のどこかから外部に通報されてもよかったのではないか。
良識を持った社員もいただろう。「公益通報者保護法」によって、外部通報者の身分や身辺の安全は守られる。」
もちろん、前社長の甥御さんが、社長に通報した、ということはあったようですが、前社長はどうせ工場長との個人的軋轢だろう、と言って無視されたようです。



内部通報制度は本質的に役に立たないのです。
理由は次の通りです。
① 通報をためらう人の気持ちを察するべきです。
自分の通報で上司や同僚を裏切るのではという躊躇、的確に事実を把握できているかという不安、何よりも会社から仕返しされないか、というおそれだ。「通報者に不利益な処分はしない」といっても、人事異動でとんでもない部署に配転されないか、という懸念がつきまとう。会社は「通常の異動の範囲」というだけだろう。転職がままならない我国では、一生飼い殺しにされかねない。
② 内部通報制度は、現実離れした想定に立っています。
勇気ある人が、自己犠牲をいとわず的確な調査の上で経営層に通報する、という現実離れの想定の上に立っているのです。それなら、監督官庁、マスコミ、さらにSNSなどで社外への告発に動くのが、むしろ自然でしょう。


私が前職の三井住友信託銀行勤務時に役に立ったのは、むしろ、アンケートでした。
毎年の研修アンケートで「研修内容は理解できましたが」等の一般的な質問の後に「その他コンプライアンスでお気づきの点、疑問の点があれば自由にお書きください。」という記入欄を設けたところ、思いがけない情報も入手できました。
全社員向け必須研修で、アンケートもその一環として回答を求められるので、心理的抵抗なく気軽に記入できるのでしょう。
もちろん、ピンポイントで的確な情報が入手できるわけではありません。しかし、広範な社員から情報を得れば、更なる調査の手掛かりになります。不確かな情報と見えても、いわゆる「ヒヤリハット情報」もあります。単なる噂話と思えても意外な真実が隠れていることもある。これらを通して組織運営上の問題点への気づきも与えられます。


ご参考までに、私の取りまとめブログです。



8月3日追記
会社の中で自浄作用が期待できないのなら、公的な相談機関に相談すべきです。ビックモーターの社員の皆さんがご存知なかったなら、本当に残念です。


まずは都道府県労働局等の「総合労働相談コーナー」
各都道府県労働局、労働基準監督署内など379か所に設置。
職場のトラブルに関する相談や、解決のための情報提供をワンストップで実施。
解雇、雇止め、配置転換、賃金の引下げ、募集・採用、いじめ・嫌がらせ、パワハラなどのあらゆる分野の労働問題を対象としています。
専門の相談員が面談もしくは電話で対応、予約不要、利用無料!





【参考記事】







230814参考記事追記



銅鑼猫(社会保険労務士玉上信明)

×

非ログインユーザーとして返信する