クリスマスのトライアングル
2017年12月24日(日)東京カベナント教会クリスマス礼拝
カベナントコワイヤ(聖歌隊)の捧げた賛美は「星づく夜の」
原曲はフランス古謡。フランツ・リストがピアノ伴奏の編曲を加えています。
日本語の歌詞は中田羽後先生です。
重厚なピアノの前奏が会堂に満ちる中、女声合唱が歌いだします。
妙なる歌が天に響き、地に平和があるように、と。
男声が加わり、馬小屋のイエス様を羊飼いたちが拝するシーンを歌います。
次は男声です。東の国の三博士が旅を続けて遂にイエスを見出します。
最後に男声女声全体で、博士たちが宝をささげるクライマックスとなります。
喜びに溢れる華やかなピアノの後奏の中に、トライアングルが輝き出します。
やがて、ピアノの音色は少しずつ遠ざかり、トライアングルもそれにつれて小さくなり、ピアノが最後の和音を閉じるときには、トライアングルは響きだけになり、それも静かに消えていきます。
虎猫がこの曲の練習をしながら、後奏の中にトライアングルを入れることを思いつき、指揮の先生に提案してみました。「おもしろそうね。やってみましょう。」
ところが、クリスマスさらに新年に向けてコワイヤの練習は目白押し。
この曲のピアノの前奏後奏と合唱と合わせる時間もありませんでした。奏楽を担当される姉妹も「前奏後奏はまた合わせていないよね。」と不安げでした。
本番当日の直前の練習に初めて前奏後奏と合唱を合わせたのです。
そこでトライアングルを叩いてみてもイメージがすっきりしません。
やめたほうが良いかと、も迷いました。
でも、「やってみましょう。博士たちが少しずつ遠ざかる感じで。」と指揮の先生は暖かくおっしゃってくださいました。
コワイヤのメンバーも、次々と細かなアドバイスを本番直前までしてくださいます。
そして、覚悟を決め祈りながら本番に臨みました。博士たちの喜びのままに強く確信をもって叩いてみました。その後は、曲の流れるまま、ピアノの荘重な響きが静かに静かに一つの和音に収まっていくのを耳で聞き、心で感じながら、指揮の先生の指示もはっきりと目にすることができ、最後の響きが会堂の中に立ち上るように消えていきました。
聖歌隊の賛美は神様に捧げるものですから、普通は拍手はしないものですが、この賛美が終わった後、一瞬の間をおいて会堂に大きな拍手が巻き起こりました。
虎猫