toranekodoranekoのブログ

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「現状を踏まえた産廃処理業の労働環境整備」全産連機関誌投稿ご報告

公益社団法人全国産業資源循環連合会(全産連)機関誌「いんだすと」9月号に、銅鑼猫の表記投稿を掲載いただきました。全産連は、産業廃棄物事業者の全国団体です。
9月号の特集「働き方改革の効果と課題」の中で掲載いただいたものです。
この特集では、厚生労働省労働基準局、東京都産業労働局、株式会社ワークライフバランス、石坂産業、シタラ興産、日吉、中特グループ様の記事もまとめられており、全体で43頁の充実した内容です。中小企業の働き方改革全般に参考になります。ホームページから購入いただくこともできます。



今回の記事は、6月の全産連定時総会で講演した内容を取りまとめたものです。
定時総会の模様は次のブログご参照ください。


【以下が掲載された原稿全文です。長文なので4回に分割し毎日一本ずつ掲載します。】


   現状を踏まえた産廃処理業の労働環境整備
                   社会保険労務士・健康経営アドバイザー
                   玉上信明


【前書き】
働き方改革が始まった。産廃処理・資源循環業は今でも残業時間も多く、有休取得も進まない。「時間外上限規制」「有休の確実な取得」を進めようにも、人手不足を加速し、現状を悪化させるだけではないか。そんな声を聞く。
決してそんなことはない。中小企業が圧倒的多数を占め、排出業者との力関係に問題があったとしても、各社自らの創意工夫、業界としての取り組み、厚労省などの支援制度の活用など打つ手は様々ある。むしろ、現在を変革のチャンスととらえていただきたい。


【本文】
1.産廃処理・資源循環業の現状
業界の原状の問題点を環境省平成29年3月「産業廃棄物処理業の振興方策に関する提言(概要版)」で簡単に確認しておこう。


1.1.業界全体の社会の中の位置付け
①当業界は社会に必須のインフラである。
産業廃棄物処理施設は、廃棄物適正処理による生活環境の保全及び公衆衛生の向上のために必須の施設であり、産業廃棄物収集運搬・処分に関わる業自体が広い意味でのインフラである。
②社会経済動向から、業界の今後への様々な示唆が得られる。
人口の減少、社会資本の老朽化、環境と資源の制約、企業の社会的責任などから、それぞれ「生産性向上」「中長期的な廃棄物発生量の減少」「低炭素化等に対応した技術体制の確立」「再資源化率向上」「経営基盤の強化」「排出事業者等の社会的責任の進化」等が求められる。


1.2.直面する課題
ところが、産業廃棄物処理業の事業者は様々な課題を抱える。
①約11万社の圧倒的多数は、中小企業であり、平均従業員数は業種により若干差異はあるものの、9人から30人程度にとどまる。競争激化により、処理量が増加する事業者と減少する事業者に二極分化が進む。低賃金が常態化している。
②排出事業者との力関係から安直な価格競争に陥り、就労環境がさらに悪化している。
1.3.働き方改革の位置付け
働き方改革は国家全体の課題であり、すべての事業者が懸命に取り組んでいる。
このため、全国的に、最低賃金での雇用確保が困難となりつつある。収集運搬や処分の現場で働く従業員が未来に希望とプライドを持って働けるための環境整備を急がなければならない。働き方改革 は仕方なくやる課題ではない。未来に向けて前向きに取り組むべき課題である。
図表1 産業廃棄物処理業の事業者数

図表2 業界を取り巻く課題


【以下は次回以降掲載】
2.働き方改革―今取り組むべき課題(9月29日公開)
 2.1.働き方改革は既に始まっている。
 2.2.「2020年以降」には次の改革が適用される



3.業界として取り組むべき参考事例(9月30日公開)
 3.1働き方改革に臨む基本姿勢
 3.2. 所定外労働時間の削減策
 3.3. 年次有給休暇の取得促進
 3.4. 中小企業事業主団体による取組


4.所管官庁等の様々なサポート(以下10月1日公開:完結)
 4.1. 厚生労働省・中小企業庁から業界団体への要請(中小企業への押し付け防止)
 4.2. 厚生労働省「働き方・休み方改善ポータルサイト」


5.まとめ
以上


銅鑼猫

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