toranekodoranekoのブログ

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「現状を踏まえた産廃処理業の労働環境整備」全産連機関誌投稿ご報告(その3)

3.業界として取り組むべき参考事例


3.1働き方改革に臨む基本姿勢
働き方改革に臨む基本的な姿勢として注意すべきことがある。
働き方改革は国を挙げての喫緊の課題である。自社だけ自分の業界だけが特別の事情を抱えて実現が困難だ、と考えてはならない。前述1.2で挙げた「直面する課題」は産業廃棄物処理業に固有の問題ではない。我国の中小企業の共通の問題である。他社の事例、他業界の事例を見れば自らが取り組むべきヒントはいくらでもある。
厚生労働省をはじめとして、各省庁からは参考事例や支援策を次々と打ち出している。
労働時間削減、年休取得のための対応は、各業界で中小企業でも積極的に取り組んでおり、関係官庁からの支援策も多々打ち出されている。以下に代表的な例を挙げる。


3.2. 所定外労働時間の削減策
厚生労働省「仕事と生活の調和の実現に向けた取組事例」の「所定外労働時間の削減」だけを見てもこのような例が挙げられている。各社ですぐに取り組める対応ではないのか。自社だけでなく、取引先の働きかけの事例も参考にしてほしい。
①ノー残業デー
○水曜日「ノー残業デー」:終業時刻30分後強制施錠<建設業/24人>
②上司と部下で時間外の原因分析
○業務計画等見直し、時間外労働の必要性の有無確認、事前の時間外労働申請徹底。<建設業/74人>
○業務に必要な知識を電子掲示板で情報共有。情報の偏りをなくし所定外労働削減<情報通信業/7人>
③取引先への協力依頼
○毎月、荷主からの発注条件を調整しながら、月初めに「ノー残業ウィーク」を設定、所定外労働時間の削減に努めた。<運輸業/4人>


3.3. 年次有給休暇の取得促進
厚生労働省「仕事と生活の調和の実現に向けた取組事例」の「年次有給休暇の取得促進」にも多数の事例が載っている。その気になればすぐにできることばかりではないか。
①有休取得状況の「見える化」
○給与明細書に年休取得状況、残日数等記載、従業員自らが休暇取得状況を把握、取得率向上<建設業/33人>
○取得日数が少ない従業員に管理職より年休取得勧奨。当初5割以下の年休取得率が2年間で7割にまで向上<運輸業/55人>
②特別の日の有休取得促進
○本人・妻子・両親の誕生日等の記念日に年休付与<製造業/9人>


3.4. 中小企業事業主団体による取組
忘れてならないのは、業界団体・事業主団体としての取組である。
①厚生労働省「仕事と生活の調和の実現に向けた取組事例」の「中小企業事業主団体による取組」に好事例がある。業界として知恵を出し合いノウハウを集積していったものだ。


傘下の中小企業に対し、労働時間等の設定改善に関する個別指導を実施する都度、Q&Aを作成。これを整理・集積・活用して、個別指導を継続、会員個々の取組が充実し、団体全体での取り組みも進んだ。<業種別(建設業)事業主団体>


②全日本トラック協会の取組「働き方改革特設ページ 」では「トラック運送業界の働き方改革実現に向けたアクションプラン概要版」として取り纏められている。その末尾の記述をぜひ参考にしていただきたい。  
「トラック輸送は、我が国の産業・経済活動の基盤(中略)・・業界での働き方改革は「社会の仕組みを見直す取り組み」
「その一方で、長時間労働の改善はトラック運送事業者のみの努力では限界があります。 (中略)国、自治体、発荷主、着荷主、物流関連施設等の管理運営者等の幅広い関係機関や関係者も(中略)て共に課題と向き合い、トラック運送業界の 働き方改革を確実に推し進められるよう(中略)協力をお願い致します。」


(以下次回)


(目次と投稿日付)
【前書き】(9月28日公開)
1.産廃処理・資源循環業の現状(同上)

 1.1.業界全体の社会の中の位置付け
 1.2.直面する課題


2.働き方改革―今取り組むべき課題(9月29日公開)
 2.1.働き方改革は既に始まっている。
 2.2.「2020年以降」には次の改革が適用される


3.業界として取り組むべき参考事例(本稿)
 3.1働き方改革に臨む基本姿勢
 3.2. 所定外労働時間の削減策
 3.3. 年次有給休暇の取得促進
 3.4. 中小企業事業主団体による取組


4.所管官庁等の様々なサポート(以下10月1日公開:完結)
 4.1. 厚生労働省・中小企業庁から業界団体への要請(中小企業への押し付け防止)
 4.2. 厚生労働省「働き方・休み方改善ポータルサイト」
5.まとめ



銅鑼猫

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