死亡の宝塚俳優と安全配慮義務(安全配慮義務は労働契約当事者でなくても適用される)
日経新聞11月11日朝刊
「労働時間に関しては、23年8〜9月に約1カ月半の連続勤務をし、亡くなるまでの約1カ月間の時間外労働を推計すると「過労死ライン」を大幅に超える約277時間に上った。形式上は歌劇団と出演契約を結ぶフリーランスだが、指示に従う立場で事実上の労働契約だと川人弁護士は指摘。歌劇団に安全配慮義務があったとしている。」
「女性は歌劇団との間で入団から5年目までは1年ごとの有期労働契約で6年目以降は業務委託契約を結んでいた。ただ、歌劇団は契約書で稽古への参加などを義務づけており、弁護士は「実質的に労働契約だ」と主張。歌劇団には心身の健康を損なうことがないように注意する安全配慮義務があるとしている。」
この記事を読んで、少し違和感がありました。
弁護士が「実質的に労働契約だから、安全配慮義務がある。」と。いわれていることです。
安全配慮義務は、労働契約の当事者だけの義務ではありません。
たとえこの女性と歌劇団との関係が労働契約でなく、業務委託契約であったとしても、歌劇団には女性への安全配慮義務があります。
安全配慮義務は、自分の会社・組織の労働者だけでなく、会社のために働いてもらっている外部の方の安全をも配慮する、という義務なのです。
この点について、私が産業医紹介の有力サイト「エムスリーキャリア」に掲載いただいた記事を参考までにご紹介します。
安全配慮義務全般について、わかりやすく解説したつもりです。
#宝塚歌劇団
銅鑼猫(社会保険労務士玉上信明)