はやぶさ還る(再掲)
初代はやぶさのカプセルに地球外物質があることが判明したのは2010年10月5日。
私の60歳の誕生日でした。
それから10年、今月、70歳の誕生日を迎え改めて掲載いたします。
私のお気に入りのブログです。
2003年5月 地球出発
2005年11月 小惑星イトカワ到達
幾多の障害が発生、当初帰還予定2007年より3年遅れて、
2010年6月13日カプセルを分離、本体は地球大気圏へ突入して燃え尽きる。
翌14日カプセルが無事回収された。
「おとうさん、地球だ!やっと戻ってきたね。」
「長い旅だった。よく頑張ったね。」
「でも、よかったね。こうやってお父さんと一緒に帰れる。」
「いや、違う。」
「え、どういうこと、お父さん?」
「ここからはお前が一人で帰るんだ。お前とはここでお別れだ。」
「なぜ、どうして、だってやっと帰ってきたんじゃないの。」
「お父さんの役目は、お前を無事に地球に戻すことだ。お父さんはその仕事を果たした。お前のおじいさんはお父さんとお前を地球から送り出してくれた。そして、大気圏で燃え尽きた。今度はお父さんの番なのだ。」
「そんな、お父さん、いやだ、お父さんが死ぬなら僕も一緒に死ぬ!」
「だめだ。お前は地球に一人で戻るんだ。お前を待っている人たちがいる。」
そしてお父さんは僕を大気圏に飛び込ませた。
猛烈な熱さだった。僕はただ落ちて行った。
やがて落下傘が開いた。僕の周りを一匹の鳥が飛んでいた。
そして僕は砂漠の中に降りた。
人間のおじさんが僕を抱き上げてくれた。
「よく帰ってきてくれたね。」おじさんはそう言ってくれた。
「おじさん。お父さんは死んじゃったの?」
するとおじさんは言った。
「いや、違うよ。君を送り出してから、猛烈に輝いたよ。満月の何倍も明るく、君の行く手を照らしてくれたよ。
おじさんたちは、叫んだよ。『帰ってきたぞ、あいつがとうとう帰ってきたぞ!』」
僕は帰ってきた。
お父さんやおじいさんのために。
僕を作って宇宙に送り出してくれたおじさんたちのために。
僕に未来の希望を託した世界の人々のために。
10月5日 はやぶさのカプセル内に、地球外物質の可能性ある微粒子数十個があると判明した。
「一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒の麦のままです。しかし、死ぬなら、豊かな実を結びます。」(新約聖書 ヨハネの福音書 第12章第24節より 新改訳2017版)
【注】(2017年10月6日当ブログ掲載時の注書です。)
2010年10月東京カベナント教会ブログ「重荷をおろして」に掲載したものです。
その年10月5日が私の60歳の誕生日でした。はやぶさのカプセルに地球外物質があることが判明した時です。運命的なものを感じ、このブログを作成しました。
そして、JAXA|宇宙航空研究開発機構 に、このブログを添えて「はやぶさの快挙おめでとうございます。」とメールを差し上げました。半日もたたないうちに丁寧なお礼のメールをいただきました。
虎猫