今こそ新型コロナに立ち向かう(28)無観客オリンピックの感動を世界に
(駒沢オリンピック公園)
菅総理は、閑散とした観客席を見て呆然と立ち尽くしました。
「抽選に当たっても結局来ない人が多数出てきました。」
「小中学校の児童生徒の招待はことごとく謝絶されてしまいました。」
「なぜ事前にわからなかったのだ。誰でもいい。ともかく、観客席を埋めろ。自衛隊でも警察でも動員しろ!」
「豪雨被害で自衛隊は災害派遣に動員されています。熱中症で緊急搬送される患者が続出しており、救急車だけで足りずパトカーも動員して、救命活動をしています。」
アスリートたちの無心の競技が粛々と進行していきました。
「オリンピックの感動を小中学生に伝えれば、一生の思い出となる。あの艱難の中で、総理の決断で、有観客のオリンピックを開催したことが、歴史に刻まれるはずだったのに・・」
大会関係者などまばらな出席者が何とか拍手で盛り上げようとしています。
その日の夜、そして、次の日。
選手村のアスリートたちに次々と手紙が届いてきました。
家庭や学校でテレビで観戦した小中学生たちが、その感動を作文にし、絵に描いて、選手村に送ってきてくれたのです。
思わず大歓声を上げるアスリートもいました。涙を流して故郷に連絡するアスリートもいました。
たくさんの作文や絵を床いっぱいに広げ、周りでV 字サイン、ガッツポーズをするアスリートたちの姿は、そのままSNS に投稿されました。世界中に一気に拡散されていきました。
それだけではありません。
日本中の人々が、世界中の人々が、場所が離れても自分が観戦した感動を、SNS に投稿し、世界中が興奮の渦に巻き込まれていったのです。
その時、世界は一つとなりました。
まことに、御怒りはつかの間、いのちは恩寵のうちにある。
夕暮れには涙が宿っても、朝明けには喜びの叫びがある。
旧約聖書 詩編第30編第5節(新改訳2017版)
(注意点)6月27日追記
本稿に関連し、SNS でテレビ画像やアスリートの姿を投稿することが著作権法や肖像権・パブリシティ権等の問題は生じえます。
とはいえ、多くの場合は権利者が特に問題にされないのではないかと思っています。
このような大規模イベントなら、感動を分かち合いたい市民が様々な投稿をしてくるでしょう。実際に著作権やパブリシティ権正面から振りかざして抗議するような人も殆んどいないのではないかと考えております。
(参考)今こそ新型コロナに立ち向かう:バックナンバー
虎猫