三菱UFJ銀行の貸金庫犯罪は同行の初歩的ミス・貸金庫自体の問題と即断するな!
まずは朝日新聞の記事より。手口を確認しましょう。

三菱UFJ 銀行の貸金庫格納物盗難事件は、「貸金庫の危険が顕在化した」というよりも、「同行のお粗末な管理体制が露見した」という問題でしょう。
1.行員が一人で貸金庫に立ち入れる、というのは初歩的な間違いです。
貸金庫の中では人の目は届きません。
人目に触れずに格納・持ち出し可能なのが貸金庫の売りです。
行員が一人で立ち入れば、何でもできます。立ち入りは必ず複数の人でおこなうべきだったのです。
2.副鍵(スペアキー)の管理もお粗末すぎます。
副鍵さえあれば、金庫内では何でもありです。副鍵を行員(管理者)一人で持ち出せる、というのは、常軌を逸しています。
そもそも副鍵は相続その他異例処理のときだけ使うものです。持ち出す際には、貸金庫担当者間で事情を確認して、管理者の決裁を得る。そのうえで複数人で立ち入って開閉する、それくらいのことは銀行として常識の範囲です。
3.副鍵を使った形跡も確認していない、などあきれ果てた失態です。
形ばかりの外部チェックを入れていたようです。
犯罪を想定したチェック体制とはとても思えません。
【12月17日朝日新聞記事より追記】
「同行によると、金庫の開閉には鍵が必要で、一つは正鍵として顧客が持ち、もう一つの予備鍵は顧客の届け印などで封印して銀行側が保管する。予備鍵を保管するキャビネットは元行員が一人で管理しており、予備鍵の封印を破って貸金庫を無断で開けていた。
不正を防止する対策はずさんだった。貸金庫室への元行員の入室記録などは残っていたが、記録をチェックして不審な行動を検知する体制はなかった。予備鍵も、約5年前から関連企業が半年に1回点検をしていたにもかかわらず、封印が破られていないかといった詳細なチェックはしておらず、不正に気づけなかったという。」
それでは貸金庫をやめて自宅で保管するのでしょうか。
盗難や紛失あるいは火災など天変地異を考えれば、自宅での保管が適切とも思えません。
繰り返しますが、今回の三菱UFJ事件は、「貸金庫の問題」というよりも「同行のお粗末な管理体制の問題」です。他行の貸金庫を考える、というのが妥当ではないかと思います。
その際には、「お宅の銀行ではどんな管理をしているの?三菱さんとどう違うの?」一度根掘り葉掘り聞いてみてください。
なお、こんな防衛策もあるようです。貸金庫用の箱に南京錠をつけておくことです。
これもご参考までに。
「じつは大手メーカーがつくる貸金庫の中に入れる箱には、利用者が自分で南京錠をつけられるフックがあるものもある。誰かに貸金庫を開けられても中の箱までは開けられないように、実際に南京錠をつけているお客さまもいるようだ」
記者が貸金庫用の箱を一見しただけでは、フックはすぐには見つけらなかった。ただ、箱を裏返してみると、持ち手の裏側に隠れるようにちいさなフックがあった。
金融機関に限らず、不正不祥事対策については、前職の銀行時代からいろいろと経験し、それなりに知見を積んでまいりました。
教材作成、セミナー実施もしてきました。
ブログでも多数の記事をご紹介してきています。
これからも少しずつ手掛けてまいります。
【ご参考:虎猫銅鑼猫不祥事コラム】
(銅鑼猫:社会保険労務士・健康経営エキスパートアドバイザー・日本公認不正検査士協会アソシエイト会員 玉上信明)