年頭所感その2:世の中の動きに関しての若干の感想

2025年年頭所感です。
昨年いろいろと気がつくことが多かったので、いくつか簡単にまとめてみました。
その1:マイナンバーカード・マイナ保険証7つの誤解(1月1日追記)
マイナンバーカード、マイナ保険証に関しては様々な誤解が蔓延しているようです。
簡単に結論だけまとめました。エビデンスもあります。関連記事も公開してまいりました。
昨年末にまとめたものですが、新しい年の初め、今一度掲載します。
その2:三菱UFJ 銀行貸金庫事件とマイナンバーカード初期トラブルの根は同じ:事務管理・システム設計の3原則を無視
事務の組み立てでもシステムの設計運用でも、基本的な3つの機能を備える必要があります。人間は故意であれ過失であれ間違いを犯します。その対策が必要です。
(内部牽制の3原則などとも言うようです)
①間違いを防ぐ。
②間違いを早期発見する。
③発見した間違いに的確に対処する。
三菱UFJ 銀行貸金庫事件では、報道の限りでは、貸金庫担当の管理者が間違いを犯すことを想定していなかった??としか思えません。
副鍵の管理まで一人に任せきり、監査も外部委託して形ばかりの件数確認しかしていなかったようです。
2023年5月頃発覚のマイナンバーカードのデータ紐づけミスも同様です。
地方自治体のパソコンで住民が入力手続きを終えた後にログアウトを怠った。次の人がそのまま入力したために、前の人のデータに次の人のデータが入り込んだ。
健康保険の保険者が情報の入力を間違えた。
このようなことは、システムの構築運営において当然に想定されることであり、ミス防止・早期発見・対処の仕組みを整えておくべきだったのです。
当時の担当大臣が「システム外の人為的ミス」と言い放ったのは、システム構築運営の基本すらご存じなかった、ということに他なりません。
(関連記事を末尾に掲載)
その3:選挙ポスター問題とLGBT問題の根は同じ:問題が起こればまず現行法での対処を考えること
東京都知事選で問題になった選挙ポスターの不適切な使用。
ポスターの掲示の権利を売買する、ポスターに選挙活動と無関係な表示をする、複数の候補者のポスターに同じ内容を掲示するなど・・。
地方自治体が提供するポスターの掲示板は、選挙のための公共の空間の利用権の提供です。
当該候補者の選挙目的以外に利用できるはずがありません。
選挙外の広告スペースとして提供するというのは、ポスター掲示板の利用権が一種の財物であることを示しています。公共の財物を指定目的以外に利用して金銭を得るというのは、財物詐取として詐欺罪にすら該当しうるのではないでしょうか。
選挙の公正な進行を妨げることで業務妨害罪にも該当しうるかもしれません。
新しく法律を作ることを考える前に、まず現行法で対応できないかを考えるべきものです。
似たような事例で「性自認が女性」の男性は女風呂にはいれるのか?という問題があります。
「『性自認』を認めたら、女性を自認する男性が男性器を持ったままで、女風呂に入ることを認めることになりかねない。」
そんな議論をする人がいるようです。国会議員の中にもいらっしゃるそうです。
とんでもない間違いです。男性の体を持つ人が、女風呂に入ることなど、できるはずがありません。建造物不法侵入罪及び公然わいせつ罪も成立しうる犯罪行為です。
国会は国権の最高機関であり、唯一の立法機関です。その構成員たる国会議員ならば、法律の基本的な知識は確かめたうえで議論されるべきです。
その4:インサイダー取引発生は痛恨の極み
2024年12月23日朝日新聞朝刊より
「元管理職によるインサイダー疑惑が発覚したのは三井住友信託銀行だ。同行は年2回、全行員を対象にインサイダー取引を防止するためのオンライン研修を義務づけ、修了後は効果測定テストも受けさせている。」
住友信託銀行(現三井住友信託銀行)でインサイダー取引防止のオンライン研修を開発したのは私です。効果測定テストを備え、さらに誓約書もオンライン上で提出させる仕組みを工夫しました。
年2回、全役職員が、すなわち社長から新入社員に至るまで、全く同じ研修を受講するというルールでした。これによりインサイダー取引防止の気風醸成に尽くしました。
それでも、個人の行動監視ができるわけではありません。インサイダー取引防止の難しさがついに表に出たのでしょう。
インサイダー取引は必ず発覚します。
資本市場の公正さを守り抜く、社会の信頼を裏切らない、そのようなプロフェッショナルの使命感をいかに涵養していくか、さらなる工夫が求められるのでしょう。
(関連記事)
(銅鑼猫 社会保険労務士・健康経営エキスパートアドバイザー・日本公認不正検査士協会アソシエイト会員 玉上信明)