toranekodoranekoのブログ

クリスチャンブロガーが綴るブログです。
明るい高齢化社会、病から得た様々な宝、世の中の動きへの警鐘(銅鑼)を鳴らすこともあります。
ときどき大阪弁も出てくる聖書物語もお楽しみに。
主催者のほか様々な協力者も登場します。

はやぶさ還る

2003年5月   地球出発
2005年11月  小惑星イトカワ到達
幾多の障害が発生、当初帰還予定2007年より3年遅れて、
2010年6月13日カプセルを分離、本体は地球大気圏へ突入して燃え尽きる。
翌14日カプセルが無事回収された。


「おとうさん、地球だ!やっと戻ってきたね。」 
「長い旅だった。よく頑張ったね。」
「でも、よかったね。こうやってお父さんと一緒に帰れる。」
「いや、違う。」
「え、どういうこと、お父さん?」
「ここからはお前が一人で帰るんだ。お前とはここでお別れだ。」
「なぜ、どうして、だってやっと帰ってきたんじゃないの。」
「お父さんの役目は、お前を無事に地球に戻すことだ。お父さんはその仕事を果たした。お前のおじいさんはお父さんとお前を地球から送り出してくれた。そして、大気圏で燃え尽きた。今度はお父さんの番なのだ。」
「そんな、お父さん、いやだ、お父さんが死ぬなら僕も一緒に死ぬ!」
「だめだ。お前は地球に一人で戻るんだ。お前を待っている人たちがいる。」
そしてお父さんは僕を大気圏に飛び込ませた。
猛烈な熱さだった。僕はただ落ちて行った。


やがて落下傘が開いた。僕の周りを一匹の鳥が飛んでいた。
そして僕は砂漠の中に降りた。


人間のおじさんが僕を抱き上げてくれた。
「よく帰ってきてくれたね。」おじさんはそう言ってくれた。
「おじさん。お父さんは死んじゃったの?」
するとおじさんは言った。
「いや、違うよ。君を送り出してから、猛烈に輝いたよ。満月の何倍も明るく、君の行く手を照らしてくれたよ。
おじさんたちは、叫んだよ。『帰ってきたぞ、あいつがとうとう帰ってきたぞ!』」


僕は帰ってきた。
お父さんやおじいさんのために。
僕を作って宇宙に送り出してくれたおじさんたちのために。
僕に未来の希望を託した世界の人々のために。


10月5日 はやぶさのカプセル内に、地球外物質の可能性ある微粒子数十個があると判明した。


「一粒の麦は地に落ちて死ななければ、一粒の麦のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ。」(新約聖書 ヨハネによる福音書 第12章第24節より 新共同訳)


【注】
 2010年10月東京カベナント教会ブログ「重荷をおろして」に掲載したものです。
その年10月5日が私の60歳の誕生日でした。はやぶさのカプセルに地球外物質があることが判明した時です。運命的なものを感じ、このブログを作成しました。
そして、JAXA|宇宙航空研究開発機構 に、このブログを添えて「はやぶさの快挙おめでとうございます。」とメールを差し上げました。半日もたたないうちに丁寧なお礼のメールをいただきました。


虎猫