toranekodoranekoのブログ

クリスチャンブロガーが綴るブログです。
明るい高齢化社会、病から得た様々な宝、世の中の動きへの警鐘(銅鑼)を鳴らすこともあります。
ときどき大阪弁も出てくる聖書物語もお楽しみに。
主催者のほか様々な協力者も登場します。

「スラヴ舞曲集」の誕生

ブラームスが貧しい音楽家のための奨学金の審査委員を務めていたときに、目に留まったのがボヘミアの田舎から応募してきた青年ドヴォルザークの曲でした。
ブラームスはこの青年が世に出るのに力を貸そうと決意します。「自分が世に出ることができたのはシューマン先生ご夫妻のご尽力によるものだ。自分はこの青年が世に出るのに力を貸そう、それが先生ご夫妻のご恩に報いることにもなる。」
ブラームスはそう考えたに違いありません。楽譜出版のジムロック社を紹介して、出版にこぎつけます。
ジムロック社もこの青年の才能を高く買い「ブラームス先生のハンガリア舞曲みたいな舞曲集を作ってみませんか。」と青年に持ちかけます。
こうしてできたのがスラヴ舞曲集の第1集。初めはピアノ連弾で、次にジムロックの勧めでオーケストラ版が出版されます。出版されるや大評判、ドヴォルザークの名はヨーロッパのみでなく、新大陸まで響いたとされます。


クララ・シューマン様


ドヴォルザーク君のスラヴ舞曲集がジムロック社から出版されました。楽譜をお送りします。
本当に名曲です。
私のハンガリア舞曲集は、お気づきの通り、ハンガリアのメロディーを借りた手慰みにすぎません。ドヴォルザーク君のスラヴ舞曲集は、大地の香り、民族の誇りに湧きたっています。私は本当に恥ずかしく思いました。
たとえブラームスの作品が忘れ去られても、ブラームスの名は「ドヴォルザークを世に出した男」として知られることになるでしょう。それこそ、音楽に一生をささげた男の喜びと思います。
                                
                             ヨハネス・ブラームス


ヨハネス・ブラームス様


ドヴォルザーク様の楽譜ありがとうございます。
ピアノ連弾のスラヴ舞曲集、あなたのおっしゃる通り、素晴らしい作品です。
草原の風、虫の音、踊る人の心臓の鼓動まで聞こえてきます。
お隣の奥様が見えたので、連弾で引いてみました。
子供たちが大喜びで、踊りだしたのです!
この息吹、この土の香りは、確かにドヴォルザーク様のすばらしい資質です。
でも、民族の音楽のすばらしさを世に知らせたのはブラームス様あなたです。


あなたが初めて我が家にいらしたとき、あなたのピアノを聴いた主人が「ちょっと待ってください。妻にも聞かせたい。」と言って私を呼びに来たのです。
二人であなたの演奏を聴かせていただきました。
私たちは語り合いました。
神様がこの若者を私たちのところに連れてこられた。たとえシューマンの作品が忘れられることがあっても、シューマンの名はヨハネス・ブラームスを世に出した人として後世に知られるようになるだろう、と。
ブラームス様はこのヨーロッパ全土に大作曲家として名を成すでしょう。
ドヴォルザーク様は、ひょっとすると、それを超えてさらに広い世界に知られる方かもしれません。
どうか、この若者を見守り、助け、励ましていただきますように。
                              クララ・シューマン


(ブラームスとクララ・シューマンのお手紙は、虎猫の創作です。ブラームスやドヴォルザークの曲を聴き、伝記を読んで、お手紙の形にしてみたものです。)


参考文献
黒沼 ユリ子「ドヴォルジャーク―わが祖国チェコの大地よ」 (作曲家の物語シリーズ(4))
ひの まどか「ブラームス―人はみな草のごとく 」(作曲家の物語シリーズ(7))
(リブリオ出版)


【注】東京カベナント教会ブログ「重荷をおろして」に2011年7月に投稿したものです。先に投稿した「ブラームスー夏のサンタおじさん」と対をなすものです。


虎猫



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