今こそ新型コロナに立ち向かう(13)④コロナ渦こそチャンス:「テレワークこそ成果主義、ジョブ型雇用」の誤り
(光が丘公園)
「テレワークには成果主義、ジョブ型雇用が必須」そんな議論は間違いです。
私はテレワークについて様々なセミナーなどを受講していますが、この手の議論が必ず出てきます。大きな間違いです。
慶応大学大学院鶴光太郎教授はこの議論をバッサリと切っておられます。
「成果主義や、実労働時間にかかわらず労働時間を一定とみなす裁量労働を導入しなければ、テレワークはうまくいかないとの考え方は古い議論だ。目の前にいない社員の働きぶりはモニタリングできないとの前提があるからだ」
「今のテクノロジーをもってすれば社員の働きぶりや労働時間は、大部屋管理以上に正確に把握できる。こうなると裁量労働制の必要性さえ薄くなる。ホワイトカラーのインプット、アウトプットの『見える化』を徹底することで評価はできるはずだ。企業は問題点を言う前にデジタル化を進め、社員もプライバシーを守りながら自分の仕事ぶりをアピールするよう発想を変えるべきだ」
このほかジョブ型に関して、関連の論考をご紹介します。
「『ジョブ型雇用』は私が言い出した言葉だが、9割がた違う意味で使う企業が次々に出てきた。『人材を、労働時間ではなく成果で評価することがジョブ型』などというミスリーディングな言説もメディアをにぎわせている」
「ジョブ型雇用は(1)成果主義ではなく(2)個々の社員の職務能力評価はせず(3)解雇がしやすくなるわけではなく(4)賃金が明確に下がるわけではない。」
この問題は、また改めて取り上げたいと考えております。
あの働き方改革の議論の中で、「脱時間給」「高度プロフェッショナル」などの珍妙な議論が横行したのと同じような現象が、テレワークと成果主義・ジョブ型という形で、今現れているように思われます。
私の主観でしょうか。
様々なセミナー等で様々な方が、判で押したようにテレワークと「成果主義」「ジョブ型」さらには「高度プロフェッショナル」を結びつけ、取ってつけたようにお話になります。
話す方の目が泳いでいるように見えます。
成果主義とかジョブ型とか言っておかないと、おさまりが悪い、そんな風潮をすら感じます。
どうか読者の皆様も、世の中の流行の議論にまどわされず、冷静に様々な情報を集めてみてください。
銅鑼猫