toranekodoranekoのブログ

クリスチャンブロガーが綴るブログです。
明るい高齢化社会、病から得た様々な宝、世の中の動きへの警鐘(銅鑼)を鳴らすこともあります。
ときどき大阪弁も出てくる聖書物語もお楽しみに。
主催者のほか様々な協力者も登場します。

明るい高齢化社会―「子育てお助け隊」

 急に歯が痛みだした。困った。夫は出張中。息子はまだ1歳。この町に来て日も浅く歯医者さんの場所も知らない。何よりも息子をどうしたらよいのだろう。
お隣のおばあさんの姿が見えた。
私は、歯が痛いと伝えようとしたが、声も出せないほどの激痛。
うう、と言いながらほっぺたを押さえるのが精いっぱい。
「どうしたの、歯が痛いのね。困ったね。私も今日は出かけるところだったから。でもちょっと待ってね。」
おばあさんは携帯電話を取り出した。
「もしもし、お助け隊?シゲばあです。そうそう、近所の奥さん。すぐ歯医者さんに連れて行ってあげて、そして、1歳の坊やの面倒をその間見ていてあげて。・・
吉江さん、すぐに山中さんというお助け隊が来るから心配しないで。」
いったいなんだろう、お助け隊?
と、ほどなく、玄関に車の止まる音。年代物のカローラから、ダンディな感じのおじいさんが降りたった。
「シゲばあさんからお話は伺いましたよ。さあ早く乗って、歯医者さんには連絡してあります。保険証とお財布忘れずに。」
カローラは軽快な走りで、街を駆け抜ける。
「ちょっとここで待ってください。」
車を止めると、住宅の前に笑顔の素敵なおばあさんが待っていた。
「吉江さんね。ケンちゃんはお預かりします。山中さんがすぐ歯医者さんへ行ってくれますよ。ここの住所と電話番号はこの名刺に、私の名前は熊田です。」
子供は子供好きの人がすぐわかる。健一はおばあさんに抱かれるとキャッキャ喜んで私にバイバイしてくれた。
「さあ歯医者さんへ!」


「親知らず」が痛んでいたのだ。すぐに抜歯、山中さんが手続きも全部してくださった。山中さんのカローラで先ほどの住宅へ。


 日当たりのよいリビングで、赤ちゃんや小さな子供たちが数人、おじいさんおばあさんが数人。一人は車いす、一人はベッドに寝ておられた。
健一は、熊田さんにあやされながら、ベランダで日向ぼっこしていた。
「助かりました。本当にありがとうございます。」
「いいんですよ。私たちにとって生きがい、目の保養ですよ。」
「このお子さんたちは?」
「私たちがお預かりしています。最近共稼ぎのご夫婦が多いからね。
もう少しで、学校帰りの生徒さんたちもたくさん来ますよ。
ご両親にはしっかり働いていただいて、その間は私たちがちゃんとお子さんたちをお守りしますよ。今日みたいに困ったときはすぐ連絡してね。」


 そこに市の広報があった。こんな広告が載っていた。
『子育てお助け隊』
この青年たちがお客様をお待ちしています。新しいボランティアも大歓迎。」
おじいさんおばあさんたちが集まっている写真。その周りに赤ちゃん、幼子、赤ちゃんをつかまり立ちさせているお姉ちゃん・・・。


あなたを生んだ父の言うことを聞け。
あなたの年老いた母をさげすんではならない。
(旧約聖書箴言第23章22節)


【注】2011年2月に東京カベナント教会ブログ「重荷をおろして」に投稿していたものです。共働き世帯数が専業主婦世帯数を上回ったのは1990年代後半、それから20年ほどたちます。いまだに保育園が足りず、育児休業中のママたちが保活に大童(おおわらわ)。パパの育休も白い目で見られる状況が続いています。
上のように、元気なお年寄りたちが子育てお助け隊になる仕組みは作れないのでしょうか。是非ご意見をお寄せください。


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