toranekodoranekoのブログ

クリスチャンブロガーが綴るブログです。
明るい高齢化社会、病から得た様々な宝、世の中の動きへの警鐘(銅鑼)を鳴らすこともあります。
ときどき大阪弁も出てくる聖書物語もお楽しみに。
主催者のほか様々な協力者も登場します。

ヘンデル「ブロッケス受難曲」

4月1日土曜日:開演17時30分 終了21時
三鷹市芸術文化センター風のホール
合唱:ハインリヒ・シュッツ合唱団・東京 
器楽:ユビキタス・バッハ
 
3時間半に及ぶ演奏の後、風のホールを出ると外の景色が全く違って見えました。
ヘンデルの「ブロッケス受難曲」初めて聴いた曲です。こんな曲があることも知りませんでした。
聖書に書かれた登場人物のほかに、その場に居合わせ躊躇いつつ成長していく「シオンの娘」、物語の意味を解き明かしていく「信徒の魂」といった役柄が備えられ、長丁場でありながら飽きることなく受難の筋立てと意味とがありありと示されていきます。
イエス様、シオンの娘、福音史家が前面で曲全体をリードしていきますが、その場その場に登場する人物たちの、何とも人間臭い姿。
おっちょこちょいのペテロがイエス様を否み、その自分の姿に愕然として、固い決意に変えられていく姿。
ユダがイエス様を裏切るその自らの姿に絶望していく姿。
聖書を幾度も読み登場人物の性格も行動も頭に入っているはずなのに、改めてこの3時間半の間に、一人一人が強烈な姿となって目の前に焼き付けられていきます。
母マリアの絶望の叫びに、イエス様は「あなたのために死ぬ、あなたが天国を手に入れるために死ぬ。」と答えられます。
十字架に釘づけられ閉じられた眼が天国への鍵となり、永遠の命を私たちに与えられたことを確信しつつ曲を閉じます。
 
終わりの拍手は少し早すぎました。拍手のうねりとはならずに一旦止んでしまいました。
曲の響きが完全に尽きて、聴く人も演奏する人もこの曲の持つ意味をもう一度かみしめ、心に刻み、指揮者淡野太郎先生の広げられた腕がゆっくりと下げられたその瞬間、会場からは大きな拍手が起こったのです。


 【注】ハインリッヒ・シュッツ合唱団
ハインリッヒ・シュッツ(1585~1672)はドイツの作曲家です。
ちょうど大バッハ生誕100年前に生まれ、ドイツ音楽に息吹を与えた「ドイツ音楽の父」ともいわれる人です。
イタリアで学び、帰国後ルターのドイツ語訳聖書を前に「この全巻を音に」という意欲をかき立てられ、生涯をその創作に捧げました。後のとくに北ドイツのプロテスタント音楽を担った人々に受け継がれ、バッハはもとよりメンデルスゾーン、ブラームスなどに大きな影響を与えたとされます。
そのシュッツの作品の研究と演奏を中心に活動する合唱団が1968年東京に誕生し、今日まで熱心な活動を続けておられます。東京カベナント教会のK姉もメンバーの一人です。
(ハインリヒ・シュッツ合唱団、ユビキタス・バッハの詳細はムシカ・ポエティカホームページを参照ください。)


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