toranekodoranekoのブログ

クリスチャンブロガーが綴るブログです。
明るい高齢化社会、病から得た様々な宝、世の中の動きへの警鐘(銅鑼)を鳴らすこともあります。
ときどき大阪弁も出てくる聖書物語もお楽しみに。
主催者のほか様々な協力者も登場します。

ナザレのイエスは神の子か

T兄
阿倍野 美玖でございます。
いつも聖歌隊のご奉仕ありがとうございます。教会にはなかなか出席できませんが、いつもインターネットで拝聴させていただいております。


先日は私の米国出張に当たり、機中で読むにふさわしい本にお伺いしたところ、早速にリー・ストロベル著「ナザレのイエスは神の子か? 『キリスト』を調べたジャーナリストの記録」をご推薦いただきありがとうございました。
米国に向かう機中では、さすがに会議の準備に追われ、読むことはできませんでした。
どうにか会議を終え、帰りの機中では疲労困憊しておりました。でも、この本をふと手に取ってみると、あまりの面白さに、夢中で読み終えました。
いま、機中でこのお手紙を書いております。


副題が「『キリスト』を調べたジャーナリストの記録」とあります。
このアメリカの敏腕ジャーナリストの調査記録には、知的な興奮を呼び起こされました。
無神論者であったストロベルさんがついにクリスチャンになるまでの、2年間にわたる調査やインタビューなどが克明かつ実に分かり易く書かれています。


まず本書第1部「記録を調べる」
たとえば、当時の福音書の記録の目撃証言が信頼できるかどうかを、現代の刑事事件の目撃証言の真偽判定の方法論等とも比較しつつ、哲学、神学、考古学の専門家へのインタビューで裏を取っていきます(第2部、第3部では心理学や医学の専門家も登場します)。
他の歴史的な事件と比べて圧倒的な量の写本などの存在(新約聖書のギリシャ語写本は5千冊を数える。その次に写本が多いのはホメロス「イリアッド(イリアス)」で600冊、タキトゥス『年代記』に至っては分冊のうちの一部しか残っていない)。新約聖書については、実際の事件からほとんどほとんど日数もたたないホットなうちに伝えられていったことなども立証されていきます。
目撃証言は、初めは口頭で伝承(口承)されていったものが後日に文字で記録されたものです。では当初の口承は「伝言ゲーム」のように信憑性に乏しいと疑いたくなります。
ところが、当時の口承はAさんがBさんに伝え、さらにCさんに伝えると、今度はCさんがAさんに対して自分に伝えられた内容を大声で話して、正確に伝わっているかどうかの確認を求めるのです。CさんはAさんの確認が得られてはじめて、次のDさんに伝えることが許されるのです(本書70頁より要約)。


T兄、申し訳ありません。
ここまで申し上げたのは、本書第1部「記録を調べる」の中で印象に残った中のごく一部にすぎません。ついつい夢中になってしまいました。こんな調子でお手紙を書いていたら、東京まで一睡もできそうにありません。
あと、2,3のことだけ書かせていただきます。


ルイス・ラピディス牧師は、ユダヤ人ですが、イエス様を信じ牧師となった方です。
この方の信仰の軌跡は、この本の中でも特に感動的なものでした。
このように語られています(本書308頁)。
「ですから、イエスを疑う人にこう言いたいのですよ。
私の言葉を信じなくてよい。その代り、ラビの言葉も鵜呑みにしないで、自分自身で調べてほしいと。今日の社会では、『それを調べるための情報がない』と答える人はいませんから。少し周りを見渡せば、参考になる本はごまんとあります。」


知的な誠実さと勤勉さがいかに大切なものか、あらためて考えさせられました。


ついにストロベルさんは洗礼を受けます。その時のことを次のように書いておられます(本書443頁)
「稲妻が光らなければ、天から声が聞こえたわけでもなかった。しびれるような感じも、ゾクゾクするような感じもなかった。こんなときに感情のほとばしりを感じる人もいるのだろうが、私が感じたのは理性のほとばしりだった。しかしそれは感情と同じように、私のすべてを興奮させていた。」
こうしてストロベルさんは、変えられていきます。周りの人にこそ、この様は明らかになるのです。本書444頁、ストロベルさんの5歳のお嬢さんの言葉です。
「ママ、神様がパパにしたことをアイリーンにもしてほしいよ!」


もう一言、是非申し上げたいのは、訳者峯岸麻子(みねぎしまこ)様の洗練された訳文です。上述の箇所からもお分かり頂けると思います。
とても平易です。中学生でも少し読書好きな子なら十分読みこなせるでしょう。そのうえユーモアのセンスも湛えつつ、深い意味が心にも頭にも響いてきます。翻訳書で日本語をこれだけ堪能できたのは久しぶりです。


米国から東京への機中、この本を読んで私も変えられました。
東京に戻ったら感動をT兄と分かち合い、兄弟姉妹にお勧めしようと考えております。
そしてなによりも、キリスト教への、イエス様への懐疑の気持ちを持っている方々にこそ、一読をお勧めして参りたいと存じます。


気候不順な折、皆々様にはなにとぞご自愛くださいますよう。
取り急ぎお礼かたがた一筆差し上げました。


「わが子よ、聞き従って知恵を得よ。あなたの心が道をまっすぐに進むようにせよ」
(旧約聖書箴言第23章第19節 新共同訳)


ナザレのイエスは神の子か?―「キリスト」を調べたジャーナリストの記録 (Studies in Baptist History and Thought)
ナザレのイエスは神の子か?―「キリスト」を調べたジャーナリストの記録 (Studies in Baptist History and Thought)
いのちのことば社


このブログは2013年7月に東京カベナント教会のブログ「重荷をおろして」に掲載したものです。受難節にふさわしい記事として掲載いたしました。