toranekodoranekoのブログ

クリスチャンブロガーが綴るブログです。
明るい高齢化社会、病から得た様々な宝、世の中の動きへの警鐘(銅鑼)を鳴らすこともあります。
ときどき大阪弁も出てくる聖書物語もお楽しみに。
主催者のほか様々な協力者も登場します。

生かされている者の務め

Nさん お手紙有難うございます。
最近の様々な出来事で意気消沈していると伺いました。これからどうしていけばよいのか、と悩んでおられるのですね。


私のささやかな体験をお話しします。
2010年10月末。私は60歳で銀行の定年を迎えましたが、再雇用制度で65歳まで勤務できることになりました。その記念に何かしよう、と考えて、「公認不正検査士」と言う資格試験を受験することにしました。企業の不正防止対策の専門資格です。銀行で長く法務・コンプライアンスを担当していた者として、役に立ちそうだな、箔がつくかもしれないな、と言う軽い気持ちでした。
12月に入会金・教材費・試験の受験料など纏めて大枚○万円を振り込むと、数日後にドカンと教材・問題集など一式が送られてきて、4月の受験に向けて勇躍勉強を開始しました。
しかし、不正対策の重要4分野(会計、法律、不正調査、犯罪学)を網羅する高度な資格です。1月、2月と日が経つにつれて、だんだん絶望的な気持ちに襲われました。
「これは大変な試験だ、とても一発で合格は難しい。試験は春・秋と行われるのだから、春に二科目、秋に二科目と分けて受験しようか、それともいっそ諦めようか、60歳を越した人間が何も無理することもない・・。」
そうこうしているうちに、あの3月11日を迎えました。2011年の3月11日です。
地震、津波、原発事故・・・。
その惨状を見ながら、何か吹っ切れたような気持になりました。「多くの命がひとときに失われ、多くの人が避難生活を送っている、その中で命を落とした人もいる。生きることを許された自分がすべきことは何か。」そんなことを漠然と考えたのでしょう。
私の出した結論はこうです。
「健康に恵まれ、自分にふさわしい仕事に恵まれ、さらに仕事のスキルを伸ばすチャンスを与えられた者が、何をためらうことがあるか。」「自分にできることに全力を尽くすべきだ。」
それから1か月間猛勉強して、一発で4科目すべて合格しました
今考えても、どうしてあれだけ迷いもためらいもなく、猛勉強ができたのか、どこからそんな力がわいたのか、不思議でなりません。合格点にほど遠かった問題集を食らいつくように繰り返し、少しずつ目標に近づいていく日々は、苦しみよりも達成の喜びに満ちていました。
そして2日間にわたる受験は、ジャンプもステップも楽々とこなすスケート選手のような喜びの内に終わったのです。


Nさん、あなたは健康です。五体満足です。いったいそれ以上何を求めるのですか。
いま、あなたが生かされていることへの喜びと感謝を忘れないでください。
あなたに与えられた使命に全力を尽くしなさい。迷うことはありません。
Nさんのご健勝とご活躍をお祈りしています。


銅鑼猫


【参考】公認不正検査士
この資格はもともと、アメリカの公認会計士や警察・検察など捜査関係者が、お互いのノウハウを出し合えば、企業の不正防止対策に役立つのではないかと検討して作られたものです。米国では26000人もの公認不正検査士が活動し、さまざまな活動実績が挙げられています。我国の資格者はまだ800名程度で、それほど知られてはおらず、メジャーな資格とは言えませんが、これからだんだん知られていくでしょう。私自身も、会社の業務の様々な場面で学んだことが生かされてきたこと、そして、定年退職後の新しい活動の場でも生かされていくのを日々実感しています。


このブログは2015年1月に東京カベナント教会のブログ「重荷をおろして」に掲載したものです。6度目の3月11日を迎え、今一度皆様に読んでいただきたく投稿いたしました。ちょっと手を止めて読んでみてください。