toranekodoranekoのブログ

虎猫・銅鑼猫など様々なブロガーが参加しているサイトです。クリスチャン、社会保険労務士、多言語活動家、女性キャリア官僚、科学ライター、うるさいばあさんまで、多士済々。お楽しみください。

クリスチャンブロガーが綴るブログです。
明るい高齢化社会、病から得た様々な宝、世の中の動きへの警鐘(銅鑼)を鳴らすこともあります。
ときどき大阪弁も出てくる聖書物語もお楽しみに。
主催者のほか様々な協力者も登場します。

介護老人体験記

三毛猫の三毛「虎猫おじさん、入院したんだって?もう大丈夫なの?」
虎猫「ありがとう。お陰様で何とか治ったよ。危うくICUに入れられるところだったんだ。」
三毛「え!ICU?キャー、素敵!」
虎「?」
三毛「だってICUでしょ。国際基督教大学でしょ。佳子様に会えるかもしれないじゃん!」
虎「それはICU違い!『国際基督教大学(International Christian University)』じゃなくて、おじさんが入れられそうだったのは『集中治療室(Intensive Care Unit)』だよ。」
三毛「なんだ、つまんない。」
虎「三毛ちゃんにとってはつまらないかもしれないけれど、おじさんは大変だったんだぞ。」
三毛「どんなふうに大変だったの。お医者さんや看護師さんに徹底的にお世話されて、上げ膳据え膳、左団扇の別荘生活じゃないの?」
虎「とんでもない。いいかい三毛ちゃん。三毛ちゃんはおしっこやウンチはトイレでするかい、それともベッドでするかい?」
三毛「ちょっと、おじさん、レディに向かって何言うのよ!トイレでするに決まってます!」
虎「おじさんは立つことも歩くこともできなかったんだ。おしっこは管を通され、ウンチは看護師さんに頼んでおまるを当ててもらうんだ。」
三毛「や、ヤダ、最低!なによ、それ!おじさん本当にそんなになっちゃったの?」
虎「そうだよ。寝たきりで介護を受けるお年寄りはこんな感じなのか、ひしひしとわかったよ。看護師さんは嫌な顔一つ見せずにおまるをあててくれたけれど、早く自分でトイレに行きたい、こんな生活早く終えたい、と思ったよ。これがもし一生続くと思ったら、とても耐えられない、そう思った。」
三毛「・・・」
虎「きっと神様は介護を受ける人の気持ちがわかるように、こんな試練をくださったのかもしれない。そう考えるようにしたよ。」
三毛「う~む・・おじさんって、すごい・・」
虎「晴れて車椅子でトイレに行けた時のうれしさ、やがて、一人で看護師さんの助けを借りずにトイレに行けた時の感激、わかるかい?」
三毛「わかんない、簡単にわかるものじゃなさそう。」
虎「ご飯のことも話しておこう。」
三毛「おじさんって、大食漢で有名よ。いつも教会のランチをおかわりしているじゃない。」
虎「その大食漢が、ご飯など全く食べられなかった。点滴で栄養を取るんだ。」
三毛「時にはダイエットもいいものよ」
虎「勝手なことを言うね。なんとか数日で食事ができるようになった。たぶん食べられないだろうな、と思っていたよ。
でも出てきたのは、ご飯は全粥だったけれど、おかずは普通の物だった。ナスのしぎやき(ナスの味噌田楽)、そして焼き魚。そのしぎやきを食べたとたん、こんなおいしいものがある!と感激したね。ところが看護師さんがやってきて『血液中の酸素量が不足しています。食事をすると一時的に呼吸を止めているんですよ。普段ならなんでもないでしょうけれど、一口食べたら、2~3回深呼吸してください。酸素の量も増やしておきます。』と言われたんだ。」
三毛「何よ、おじさん。酸素吸入までしていたの?」
虎「そうだよ。鼻にチューブを当てて、酸素を補っていたんだ。ご飯のときは一口食べたら2~3回深呼吸、酸素量もワンランクアップ、自分でも酸素モニターを見てチェックしながら、少しずつ食べたんだよ。」
三毛「そんなんじゃ、味もわからないでしょう。」
虎「いや、ちゃんとわかったよ。この一口、一口が命のもとになるんだ、大切に大切に味わって食べたから、とてもおいしかったよ。」
虎「やがて車椅子に座って起きていることができるようになった。なにしろ、1週間寝たきりだったからね。だいぶ回復して、看護師さんに付き添っていただいて歩行訓練を始めた。そんなふうにして一歩一歩回復していったんだよ。」
三毛「でもよかった。ちゃんと治ったんだね。」
虎「治りだすと早かったよ。今日からおしっこの管は取りましょう、今日から酸素もいりません、今日から点滴は不要です。そして、挙句の果てに『明日退院していただいていいですよ。』そこまで準備はできなかったので、『後3日ほど待ってください。』と頼んだんだ。それくらいゆっくりしていてよかったと思うよ。その3日でさらに歩行訓練をして、日常生活復帰に支障がないようにできたんだ。」
三毛「大変な体験だったのね。でも、早く治ってよかった。」
虎「決め手は10月18日のマウント・オリーブ・ミニストリーズ代表の中野雄一郎先生のメッセージだった。インターネット礼拝でお話を伺っていたんだ。その中で先生がおっしゃっていたよ。
『病にかかると、「神様、早く治してください。」と祈りがちですが、これは、自分の目が病に向いてしまっているのです。
病の回復の早い人には共通の特徴があります。
「治ったら何をするか」が分かっていること、即ち病後に目を向けていることです。』
そうだ、自分にはやるべきことがあるんだ!そう思った。
『退院していいですよ』と言われたのはその翌日だったんだ。」


三毛「おじさん。佳子様には会えなかったけれど、神様に会えたのね。」
虎「・・・・・(涙)」


2015年11月、急な病から幸いに退院できた時に東京カベナント教会ブログ「重荷をおろして」に投稿した記事です。
1年以上経過し、幸い健康が守られている今、改めて投稿してみました。

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