toranekodoranekoのブログ

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過労死等防止対策推進シンポジウム(2018年11月6日) もはやパワハラは放置できない。

11月6日過労死等防止対策推進シンポジウムに出席しました。
シンポジウムは、これからさらに各所で開催されます。
ご興味のある方はぜひご出席ください。


 私は、ここでは11月6日のシンポジウムで、特にご遺族の声から印象に残った点を申し上げます。


   シンポジウムの最後に過労死を考える家族の会の方4名の体験発表がありました。
そのうち3人は若い息子さんを亡くした方でした。
共通の特徴は憧れの仕事に就きながら、過重労働の中、上司からの人格を無視した罵声叱責、要するにパワーハラスメントによって死に追いやられた姿です。
もう1人の方はご主人が高等学校の英語の先生。打合せ中に倒れ、意識が戻らないままの長い闘病生活の末に亡くなったのです。


   働き方改革の中で様々な議論がありました。議論をする方は過労死・過労自死した方の実態を知っておられるのでしょうか。ご遺族の声に耳を傾けたことがあるのでしょうか。
   働き方改革の中で罰則つきの時間外上限規制が設けられたのはなぜか。時間外労働については、これまで原則として労使の協定に委ねられていました。会社には様々な事情があるだろう、労使でしっかり話し合ってルールを作ること、とされてきたのです。
   それが罰則つき時間外上限規制に至ったのは、もはや労使の自治に任せておけない、国家として死ぬような働き方は許さない、という意味なのです。


   しかし、時間外の上限規制だけではおそらく不十分です。人間は誇りをもって働くことが必要なのです。パワーハラスメントの横行は、もはや放置できない状況になっています。厳しい規制が必須です。
   いまだに経営者の中では「指導とハラスメントの境界が曖昧だ。」として、厳しい規定に難色を示す意見が多いようです。
   心得違いも甚だしい。指導とハラスメントは、はっきりと区別する事ができます。
相手の人格を無視した指導は、もはや指導ではないのです。「厳しい指導」とは名ばかりで、およそ指導の名に値しない言動が現場で横行している、ということに過ぎません。
まともな管理・適切なマネジメントのできない上司が、指導と思い込んで弱い者いじめをしているにすぎません。このような指導は、そもそも非効率であり、指導の実を上げることもできないのです。
   こんな簡単な事に気がつかない方に経営者たるの資格はありません。
上司が部下の挨拶を無視、業務の方法についてやり方も教えずに罵声・叱責を繰り返す。これのどこが指導でしょうか。
過重労働に耐えかねて退職を申し出ると、「代わりのものを連れて来い。そうしなければこの業界で働けないようにしてやる。」この暴言のどこが指導なのでしょうか。
 人手不足が深刻化する中、このように働く人の人格を踏みにじるような会社に若い人が来るでしょうか。採用できたとしても定着も難しいでしょう。
外国人労働者を大量に受け入れよう、という動きもありますが、パワハラが横行する会社に外国の若者が来てくれると思っておられるのでしょうか。


 パワーハラスメントは企業の恥、国の恥です。働く人の意欲をそぎ挙句の果てには過労死・過労自殺にまで追い込んでしまう。
厳しく規制すべきです。厳しい規定の中から、真の適切なマネジメントを真摯に追求する会社が生き残り、「指導の一環だ。」という妄想にいまだに取り憑かれている会社は淘汰されていくでしょう。


銅鑼猫

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