toranekodoranekoのブログ

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乾いたタオルは絞れない。馬車馬は崖から落ちる。

 日本企業はなぜ迷走しているのか。
理由が二つあります。お2人の方の議論を紹介します。
私なりに印象的なところを取り出して配列してみました。
ぜひ、元の論説に目を通していただくことをお勧めします。
 終戦記念日が近いこの日、お二人の議論を読み返してみると、日本の敗北の理由が分かるような気がして、背筋が寒くなります。
そして、いま、あいも変わらず脇目も振らず働くことを美徳と考えて邁進するこの国の勇士たちがそのご家族も含めて、実は破滅にまっしぐらに進んでいる、そのようなイメージが頭の中をよぎります。
様々な不正・不祥事が発覚しています。その原因の一つも、この国の人々の的外れな真面目さ、狭量さにあるのではないでしょうか。
もう一度、立ち止まって考えてみませんか?
もう一度、私たちの生き方働き方を見直してみませんか?
少し違った角度から見直せば、きっと新しい道が開けます。


1.乾いたタオルは絞れない。
東京大学東洋文化研究所教授 安冨歩さん
出所:BizHint
「意味のあること」に手を出せない日本企業【東京大学東洋文化研究所教授 安冨歩さん】


①乾いたタオルは絞れない。
「乾いたタオルからは水は出ないのに、出ると信じて絞りまくっていることです。水を出したいのなら、タオルを濡らすか、濡れたタオルを探さなければならない。そのために 一番手っ取り早いのは、これまで組織にいた人材とは違う人を入れる ということ、すなわちダイバーシティです。日本語もろくにできない海外の人を採用してみれば、自分たちが当たり前と思っていることが当たり前でないことが分かりますよね。」


②効率を追求しすぎた日本企業
「ドラッカーは、効率性は副次的な概念でしかなく、 重要なのはEffectiveであること と言っています。Effectiveは翻訳が難しい言葉ですが、私は 有効性、つまり『意味のあること』と捉えています 。効率から出てくるのが利益。意味のあることから出てくるのは事業。つまり、意味のあることをすることが事業を展開するための重要な要素であり、そのうえで効率を求めないとダメということなんです」
「日本人には、たくさんの機械を一糸乱さずに動かすとか、命を懸けてもビス1本を守り抜くといった美徳が備わっています。自分に与えられた役割を責任もって全うする人たちが集団でいたので、非常に競争力が高かった。でもこの 美徳は、Effectiveness――意味のあることではない 。意味のあることか否かを考える必要がないぐらいに効率がモノをいう時代だったから成功できただけです。言い方を変えれば、仕事の意味などを考えずに自己犠牲をしてラインを守れば給料が倍になる。すべての企業や組織は、こうやって動いていたんですね」
「東西の冷戦時代、日本が世界中に商品を送出しなければ、アメリカはソ連に負けていた可能性もあります。日本は、この時代にあまりにも成功してしまったから、効率性が最重要課題になってしまった。みんなで右向け右。 余計なことは考えずに手を動かすというのが、私たちの精神そのものになってしまった のです」


こういった世の中においては、多様性は必要ない。むしろ、害悪でさえあるのです。


「右といえば右を向く人間ばかりをたくさん集めれば、効率は良くなります。効率を追求するためには、ダイバーシティは排除すべき。だからこれまで、多様性やダイバーシティは俎上に上がってこなかったのです」


2.馬車馬は崖から落ちる
エム・アイ・アソシエイツ株式会社 代表取締役
松丘 啓司さん
出所ヒューマンキャピタルオンライン
成果主義人事の限界シリーズより


「アジャイルな人事変革の必要性」より
「成果主義人事は中央集権による業績管理を徹底させるための制度でした。全社目標の達成を最重要課題として組織を動かすために、個人に目標をブレークダウンして、人事評価の面から外発的に動機付ける制度が成果主義人事であったといえます。そのため、制度は法律のように精緻でなければならず、その運用は厳格なものでなければなりませんでした。人事はあたかも「制度の番人」のように、管理・統制を行う役割を担っていたのです。 しかし、管理・統制からはイノベーションは生まれません。」


「VUCAの時代と成果主義人事のミスマッチ」より
「論理的な分析ばかりではなく、こんなサービスがあったら便利そうだとか、こんなサービスが欲しいとかいった、どちらかというと感覚的な理由からでも、小さく始めてみて、ユーザーの反応を機敏に取り入れながら育てていくことが、逆にビジネスを成功させるための方法論になりつつあります。また、そのようなアプローチを可能にするためには、現場においてトライアンドエラーが奨励される環境が必要とされるのです。」


銅鑼猫

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