真の励まし・真の愛
本当につらい思いをしている人にはどのような励ましがふさわしいのでしょうか?
私の母が癌で亡くなったのは私が中学1年生の時でした。
そのとき「お母さんは心の中で生きているのだからね。」という励ましをする人がよくいました。たまらなくなってさらに泣きました。励ましの言葉に感動したのでなく、不快極まりなくて、我慢できなかったのです。
耐えがたい現実に向き合い、なんとか心の平衡を取り戻そうと必死になっているのです。口だけの励ましは辛い思いをかきたてるだけです。傷ついた心を突き刺すだけです。
2010年2月28日の日経新聞に、お医者さんの執筆で、御主人を癌で亡くした女性について、次のような趣旨の記事がありました(埼玉医科大学大西秀樹氏「医師の目」「遺族の喪失感・苦痛察して」)。
「覚悟はしていた。それでも実際に夫をなくしたつらさは想像を絶するものだった。そんなときに、周囲の人から『あなたは子供さんが大きいからまだましですよ。』などと言われて、さらにつらい思いをする・・。遺族のつらさが周囲に十分に理解されていない。『いつまでも泣いていては成仏できないわよ』『そろそろ趣味でも始めたら』などと言われ、悲しみが理解されていないことに傷つく・・」「周囲が遺族の辛さに気付き、気遣いを持って接することが必要ではないだろうか。」
真の励ましとは、安っぽい励ましの言葉をかけないことです。ただ静かに見守り、その人が本当に必要とするときに手を差し伸べることです。
正しい人の口はいのちの泉
悪者の口は不法を隠す
(旧約聖書箴言10章11節:新改訳2017版)
【注】2010年3月に東京カベナント教会ブログ「重荷をおろして」に投稿していた記事です。
6月18日大阪を中心に大規模な地震がありました。私の出身地です。
この地震で被害に遭って打ちひしがれている人もいるでしょう。そう思った時に、以前に投稿したこのブログを思い出して改めて投稿したものです。
虎猫