toranekodoranekoのブログ

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危機管理は経営者の責任

企業不祥事の発生時に、多くの経営者が初動で失敗します。
立ち上がりの記者会見で、自分は表に出ずに部下に任せきりにし、ようやく自分が会見に出る場合も謙虚な反省を口にしない、自分が被害者であるかのごとき発言をしたり、記者からの質問を一方的に打ち切ったりするなどです。


社会部の記者は正義感に燃えて会見に臨んでいます。その後ろには、世論が控えているのです。
ただでさえ不祥事で批判を浴びているときに、経営者の軽率な振る舞いで却って火に油を注ぐのです。
二つのことを簡単に述べます。
1.危機の広報は経営者の責任である。
2.内部通報の重要性を認識せよ。

1.危機の広報は経営者の責任

 多くの経営者が失敗するのは、クライシス・不祥事発生について自分の責任ではなかった、と思ってしまうからでしょう。
たとえ発生の原因が自分になかったとしても、クライシスに立ち向かい収束させることは経営者の責務であり、経営者でしかできないことです。原因を発生させた部署の部長や担当役員クラスを表に出して、自分が後ろに引き込むことは許されないのです。
理由は二つ。
①原因発生部署だけでは、発生した事故への対処はできない。原因がその部署にあったとしてもクライシスの影響は広範に及ぶのが通例。その部署だけで対処できる範囲を超えてしまうからです。
②危機を収束させ、さらに災い転じて福となす、次の手を打つのは全社的な経営問題であり、経営者でなければ対処できない。


このような意識を経営者に持たせる必要があります。
技術論を言えば、「防災訓練」「危機対応のシミュレーション」を本来は定期的に行うべきなのです。
例えば、防火訓練は、年2回実施などが義務付けられています。訓練していなければ実際の火災発生時に対処できないからです。それと同様に、危機発生時の対応は会社の中で定期的な訓練を義務づけ、それに、必用な経営資源も投入しておくべきでしょう。
「経営者がイニシアチブを取って危機対応訓練を行っているか」このようなことこそ、本来は企業評価の一つの項目として備えるべきでしょう。


2.内部通報の重要性を認識せよ
  内部通報によって経営者に問題が伝われば早期に対処ができます。
内部告発(企業の内部からマスコミや監督官庁などへの告発)があった場合には、全く想定しなかったところから、いわば会社への攻撃が始まり、短時間に意思決定と対処が求められ会社が混乱の極みに達します。
「公益通報者保護法」がまだ緩い規制に留まっているのは、経営者の側の抵抗があるからと思われますが、とんでもない心得違いです。
公益通報者が保護されるなら、会社としては内部通報あるいはラインからの通常のレポーティングを重視して外に出る前に社内で情報を吸い上げて対処することが嫌が応でも促されていきます。
それが会社にとってのリスク管理、ダメージコントロールに繋がっていきます。


【注1】記事執筆のきっかけ
この記事は、5月18日(金)株式会社ベクテルのセミナー「コンプライアンス事故発生時の対応と予防措置 ~会社トップと現場、それぞれが担うべき役割とは~」に触発されて、若干の感想を述べたものです。


【注2】「内部通報」と「内部告発」という言葉には問題がある。
 「内部通報」Internal reporting systemは、企業の内部での通報制度です。
一方で、「内部告発」Whistle-blowingは企業の外部への(マスコミや監督官庁など)への告発です。笛を吹いて外に知らせるという意味合いです。全く意味が違います。英語を見れば違いが明らかになるでしょう。
同じ「内部」という言葉を頭につけたのは、日本語としていかがなものでしょうか。
「外部告発」「外部への告発」とでもすべきでしょう。


(参考)「内部通報制度」Internal reporting system(デロイトトーマツ資料より)
    「内部告発制度」Whistle-blowing(Wikipedia より)


銅鑼猫


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