toranekodoranekoのブログ

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今こそ英語を!というあなたに

今こそ英語をマスターするぞ!と心に誓った方も多いかもしれません。
ニックの経験を少しお話します。


 もう40年以上前、まだ1ドル360円の時代、大学1年生の時に英国ロンドンに3週間の語学研修に行く機会に恵まれました。外国人向けの英語研修のプログラムです。年代も国籍もまちまちな学生たちです。フランスやドイツなどの欧州の人が多かったのですが、アフリカやアジアの人もいました。
 まず筆記試験でクラス分けが行われました。当方は入試英語の余韻冷めやらぬ時期です。お茶の子さいさいでした。するとかなり上級のクラスに入れられました。


 はじめての授業、先生の話すことが一言も聞き取れませんでした。
そんなことに気落ちせず、ともかく初めての海外、初めてのロンドン。授業は半日でしたので、残り半日は地下鉄に乗ってロンドン中を駆け巡りました。ロンドン塔などの定番の観光地のほか、美術館や博物館は当時どこでも無料だったので、片っ端から見て回りました。現地の人と話す機会もありましたし、学校の寮に帰ると、年代も国籍もまちまちな学生たちとともかく話しまくりました。
1週間すれば会話は不自由なくできるようになりました。
授業ではフリーディスカッションも組まれていました。英語がある程度聞き取れるようになると、こちらもしゃべりたくなります。たどたどしい英語でともかく話し始めると、同じクラスの学生たちが、熱心に聴いてくれるのです。特に欧州の人たちは、他人の話を積極的に傾聴する訓練がよくできているようでした。私の話をさえぎって話し出そうとする人がいると「待ちなさい、いまニックさんが話しているのよ!」と厳しく注意されていました。


 こうして3週間、貴重な日々が終わりました。
私が一番印象的だったのは、そこにいる人々が、私たちと同じごく普通の人であったということです。イギリス人は気取っていてとっつきにくいとか、やれフランス人はどうのドイツ人はこうの、とか先入観をもって語られることも多いようですが、日本人にもいろいろな人がいるのと同様に外人にもいろいろな人がいるだけのことです。言葉が通じれば心も通じます。普通のおじさん、おばさん、お兄さん、お姉さん、それに子供たちがいるだけです。(そういえば学生寮の近所の悪ガキどもが、東洋人の面白そうなやつがいるというわけで寮まで大挙して押しかけてきて、舎監のおばさんに叱られて追い出されたこともありました。悪ガキの存在も日本と同じです。)


 こうして就職して10数年、特に英語を使う機会もなかったのに、突如米国出張を命じられました。現地の企業を訪問してお話を伺ってくる、というだけの出張ですが、海外出張には変わりありません。経費節約で通訳など付きません。あわてて英会話学校に通ったりしましたが、ともかく単身渡米しました。
 現地の訪問先の会社の課長クラスの方が3人ほど私の前に座って、説明してくれます。といってもさっぱりわかりません。
 こんなときは気合と度胸です。私は「ちょっと待ってください。いまおっしゃったのはこんなことでしょうか?」とヤマ勘で紙に図を描いて差し出してみました。
 3人のおじさんたちは身を乗り出してきて、そのうちの一人が「そうではない。あそこのホワイトボードで説明しましょう。」というわけで、みんな揃ってホワイトボード前に移動、そのボードの上でああでもないこうでもないと、議論が弾んだのです。
現地の支店では別の行事もかねて歓迎会を開いてくれました。私は「ひょっこりひょうたん島」と「キングコング」を振り付け付きで歌い、現地スタッフに大いに受けました。


 英語はコミュニケーションの道具です。学校英語であっても基礎的な学力・知識があれば、後は必要に迫られれば何とかなるものだと思います。
大切なのは、必要に迫られたときに臆さず行動する気合と度胸、必要に応じて何とか道を切り開いていく柔軟性なのです。
ありていに言えば、英会話以前にまず修羅場に臨んで対応していく力です。これがあれば火事場の馬鹿力が発揮できるでしょうし、これがなければ多少の英語力など何の役にも立たないでしょう。
外国から日本に来るお相撲さんがなぜあれだけ日本語が達者になるか、というのも貴重なヒントになると思います。


【参考】
最近読んだ本の中では、次がとても面白かったです。
ジェームズ・M・バーダマン著「日本人の英語勉強法-なぜ日本人はこんなにも英語ができないのか」
著者は早稲田大学教授。40年近く英語学習に取り組んでこられた先生です。英語学習の「俗説」と「真相」を対比し快刀乱麻を断つ筆のさえです。
バーダマン先生の「毎日の英文法」「毎日の英単語」は効率的・実践的な英語習得に役立ちそうです。朗読音声が無料でダウンロードできるようにされており、すぐに使えます。
このほかにも参考になりそうな図書があります。少しずつ紹介して参ります。


ニック

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