toranekodoranekoのブログ

クリスチャンブロガーが綴るブログです。
明るい高齢化社会、病から得た様々な宝、世の中の動きへの警鐘(銅鑼)を鳴らすこともあります。
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イラク日報はなぜ発見されなかったのか。

 イラク派遣時の日報があるとわかりながら、1年間も大臣に報告されなかった。
「隠蔽疑惑」などと報道されていますが、意図的な隠蔽とは限りません。むしろ、担当者は、本当に報告の対象でないと思い込んでいたふしがあります。
報道の限りですが、担当者が次のように言っているようです。
「捜索の対象は文書であり、電子データは対象外と思った。」
「捜索の対象は南スーダン関係であり、イラク関係は対象外と思った。」


「隠蔽や報告遅延を糊塗するための見えすいた言い訳」とだけ捉えるべきではありません。本心でそう思っていた可能性が十分にあります。
問題が起こった時の調査においては、この類の認識の誤りは、しばしば起こるのです。
対処の仕方について提案します。


1.認識誤りへの対処策
  調査の指示をする側は、このような認識誤りがないようにし、調査に臨む心構えも含めて明確に指示すべきです。
「国会で問題視されている重要案件である。仮にも『存在を秘匿している』との疑念を生じてはならない。少しでも気がかりなことがあれば包み隠さず報告してほしい。」
「調査の対象は行政文書とされているが、ことの重大さに鑑みて、仮にも行政文書の範囲を狭めて解釈してはならない。関連する文書があれば担当者ベースで判断せず、全て報告して欲しい。」


2.調査の限界への認識
  調査期間は限定されていることが多いでしょう。その期間で全て調査し尽くせるとは思わない方が良いのです。心構え的に書けば次の通りです。
 一度で全部あぶり出せると思わず、後から出てきても冷静に対処する。
 トップから「全て調査したのか。」と聞かれると、「全部調べ尽くしました。」と答えたくなる。しかし、後日、別途判明することがよくある。それがむしろ通例。
 トップに対しての答え方も整理しておく方が良い。例えば次の通りです。
「この調査の限りでは、最善を尽くしました。ただし、隠れた問題があることは十分に考えられます。調査対象部署の管理者のみでなく担当者にも、また関連部署等にも『後日同様の問題と思われることが出たら、躊躇せずに知らせて欲しい。』『担当者ベースで気になることがあればすぐ報告して欲しい。上司への相談は一切不要。勇気ある報告をする人を我々は、必ず守る。』と徹底します。」


3.調査手順のマニュアル化・標準化
  以上のような手順は問題案件調査の定石です。果たして、各省庁などで周知されているでしょうか。各省庁で問題が起こったときに、その場の管理者などが行き当たりばったりに調査し適当に報告をしている、というのが実態ではないでしょうか。各省庁で次から次へと似たような問題が起こることから見て、私の考えは大きく間違っていないように思います。
 なお、このような調査手順は、専門的なものとはいえ、決して難しいものではありません。いやしくも官公庁に身を置く方は、プロフェッショナルとしての誇りをかけて、このような調査手順を策定し、標準化、共有していくべきです。
 さらに付言すれば、国会議員やマスコミが、「隠蔽体質」といったありきたりのキーワードで、あたかも官公庁に悪者が巣食っているかのごとく言い立てるのは、自らの見識のなさを表しているに過ぎません。
 官公庁のプロフェッショナルが、ぜひ心してプロとしての調査を行えるよう研鑽を積んでいただきたいと思います。


 私は銀行勤務時代から不正不祥事の調査について勉強して参りました。
調査の一般的な手順を取り纏めて、2月に日本公認不正検査士協会にてWEBラーニング(オンラインセミナー)として発行していただきました。
上に述べたことはその教材の一部から少し敷衍して解説したものです。
官公庁でもまた民間企業でも、多くの方がこの教材を手にとって学んでいただくことを願ってやみません。以下がセミナーについて紹介したブログです。


「不正・不祥事は他人事ではない。」Webラーニング(オンラインセミナー)開講!


銅鑼猫


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