ハラスメントは会社を蝕む恥ずべき愚行
組織は人で動いています。人間としての特性をよく理解してください。管理職は部下を人として尊重し、人として誇りを持って仕事ができるように大切に扱う必要があります。その対極の例が最近の電通の事件だと思います。
大切な若い社員を人として扱わなかった、個人の尊厳を踏みにじった。それが本質的な問題なのです。
ハラスメントというのは、社員個人の尊厳を損なう行為です。恥ずべき愚行です。ハラスメントという洒落た外国語から、ついつい軽く考えていませんか。
ハラスメントは、簡単に言えば、他の社員をからかい・嘲り・あるいは陰口の対象にすることです。社員がお互いを信頼・尊重する社風を蝕み、士気を損なっていきます。
ハラスメントの本質は、「社員相互の信頼・尊重の気風があるか、それを蝕む行動がないか」と見るべきものです。他の社員をからかい、あざけり、陰口を言う風土は、やがて顧客や社会を軽んずる姿勢(例えば、顧客を金儲けの手段として扱う風土・意識)をすら生じかねません。さらには不正の誘因にすらもなりかねないものです。
経営者は、このようなハラスメントの危険性をはっきり認識しておくべきです。
ハラスメントについては、法的にはこまごまとした定義があったり、対策について技術的・専門的な論点が様々指摘されています。それがともすると、人事部の誰かが取り組む専門的な問題との誤解を生んでいるのではないでしょうか。
社員一人一人を人として尊重する。まともな経営者ならば、必ず行うべきことです。それこそが一番的確なハラスメント対策です。
それが会社を明るく元気にし、社会から尊敬される会社へと変えていきます。
銅鑼猫
【2020年3月23日改定追記】
*このブログは先に公開した「ヤミ残業は会社を根本から腐らせる。」とともに、日本公認不正検査士協会から発行の教材「不祥事・不正は他人ごとではない」の掲載内容から作成したものです。詳細は次の通りです。
銅鑼猫