toranekodoranekoのブログ

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クリスチャンブロガーが綴るブログです。
明るい高齢化社会、病から得た様々な宝、世の中の動きへの警鐘(銅鑼)を鳴らすこともあります。
ときどき大阪弁も出てくる聖書物語もお楽しみに。
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みつばさのかげに―第二次大戦に生きたあるドイツの作家

朝ごとに主は 目を覚まさせ
私の耳に 語りかける
主のみ言葉で 迎える朝
私と共に 主はおられる。
(讃美歌21 第472番第1節)


この讃美歌の右肩に「詞Jochen Klepper(1903-1942)」と書かれています。 
39歳の若さで亡くなったヨッヘン・クレッパーは、ドイツでは著名な作家です。
ナチスの治世下でも、その作品は非常に高い評価を受けていました。
彼は、ユダヤ人の未亡人を妻に迎え、その2人の娘さんを養女とします。
ナチスが政権をとり、ユダヤ人狩りが妻と娘さんに及んできます。かろうじて長女だけは国外脱出させることができましたが、妻と次女を逃すことはできませんでした。
クレッパーはドイツ国防軍にも支持者が多かったので、要人を訪ねて、助命を乞います。つてを頼って、かのアイヒマンにも面会しますが、助命はかないません。
明日にはゲシュタポに捕えられるという時に、一家は死を共にします。
クレッパーの大部の日記があります。日本でも抄訳が発行されています。


「1942年12月10日
(中略)私たちは今晩、一緒に死に赴く。
最後の数時間私たちのために闘っておられる祝福のキリスト像が、私たちを超えて私たちの頭上に立っておられる。(後略)」
(小塩節、小槌千代訳「みつばさのかげに―愛と死の日記」1977年日本キリスト教団出版局)


8月には広島、長崎への原爆投下があり、そして終戦記念日です。
わが国だけではありません。多くの悲劇が多くの国に起こったことを、私たちは忘れてはなりません。クレッパーの思いをかみしめたいと思います。


闇は深まり 夜明けは近し
あけの明星 輝くを見よ
夜ごとに嘆き 悲しむ者に
よろこびを告ぐる 朝は近し
(讃美歌21 第243番「闇は深まり」第1節 詞クレッパー)


虎猫


【注】「8月は、6日、9日、15日」という俳句があるそうです。
原爆と第二次世界大戦についての以下のブログもあわせご参照ください。


広島とグラウンド・ゼロ
それでも、日本人は「戦争」を選んだ。

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