toranekodoranekoのブログ

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製造業データ偽装・働き方改革講演会無事終了!

5月29日千葉市内陸企業連合会様講演は無事終了いたしました。
ご参加の方々、事務局の皆様に感謝申し上げます。
概要を以下ご報告いたします。


1.日時:5月29日(水)15時20分~16時40分
2.場所:千葉市ペリエホール(JR千葉駅直結)
3.ご参加者:千葉市内陸企業連合会 会員企業経営者・管理者様
       公益財団法人千葉市産業振興財団様 (約20名)
  *千葉市内陸企業連合会:昭和41年設立。
   上下水道道路等の問題解決を目的に内陸部企業体を統合して設立。
   金属・機械製造、建設業。サービス業等会員数54社2組合。
   事務局:公益財団法人千葉市産業振興財団


4.講演テーマ:
 第1部「データ偽装」は他人事ではない。
 第2部「働き方改革」ひとまずこれだけ。


【主な内容】
製造業の方が多く、近時の製造業データ偽装の問題の解説のご依頼がありました。
また、働き方改革で今すぐ対応すべきポイントの解説もご依頼をいただきました。


次のような趣旨でお話ししました。
2つのテーマは実は密接に絡んでいる。どちらの問題も、究極の目的は次の点にある。
「働く人が、プロフェッショナルとしての誇りを持って喜んで働ける。そのような職場を作ること」
働き方改革については、次のパンフレットもお配りして解説いたしました。
神奈川県庁ご自慢のパンフレット「中小企業こそ、働き方改革を!」 
(黒岩知事のお話をいただく機会があり、ご自慢のパンフレットとして紹介されました。神奈川県庁のご担当者様に、講演の参加者にお配りしたいと申し上げたところ、快く分けてくださいました。)


概要は次をご覧ください。ご出席者がとても熱心に聴いてくださり、ご質問をいただき、熱い80分となりました。


第1部:「データ偽装」は他人事ではない。
1.JR西日本新幹線台車亀裂事故
 紙芝居を用いてご説明しました。
(この紙芝居はYouTube でも公開中!新幹線脱線事故の悪夢―紙芝居型動画公開!


①何が起こったのか。
納期に迫られた製造業現場で「少しぐらい規格はずれがあっても安全性には影響を及ぼさない」と勝手に判断して、規格はずれのものを出荷してしまった。
納期というプレッシャーが「動機」となり、製品規格には十分な安全余裕があるから、多少外れていても構わない、として自分の行動を「正当化」してしまったのです。
②どうして起こったのか。対策は?
ごく普通の人が不祥事を犯してしまうメカニズムを「不正のトライアングル」を用いて説明しました。
チェックシステムを厳しくして不正の「機会」への対策をとることは必要だが、行為者の意図的な不正を防止・発見することは難しい。
むしろ、行為者の内心への働きかけこそが有効な対策となる。
「安全は全てに優先する」という信念を持ち、「プロフェッショナルの誇りにかけてもごまかしは許さない。」という内発的な動機付けこそが大切。


2.さらに、次のような事例もご紹介しました。
①東洋ゴム免震偽装事件:報告遅延が生じた事態
 異例事態発生時には現場で考えるのではなく、社内全体で速やかに情報を共有して対処すべき。
②アクリフーズ農薬混入事件
 乱暴な成果主義人事評価が契約社員の心を荒廃させて、冷凍食品に農薬を混入させる事件を起こしてしまった。
事件発覚後の同社担当者の知識不足から、事態を軽視し、厚生労働省への報告も遅れ、あやうく重大な健康被害に繋がりかねなかった。


第2部:「働き方改革」ひとまずこれだけ
1.働き方改革が必要な理由
 今取り組んでおかないとこの国が立ち行かなくなるためだ。
働き手が少なくなる中、女性に仕事も家事も育児も押し付ける状況が変わっていない。
労働生産性の低い長時間労働が蔓延し、健康被害まで生じている。
正規非正規労働者の賃金格差が大きく、結婚し子供を産み、十分な教育を与えるということさえ難しくなっている。貧富の格差の再生産が行われている。


2.取り組むべきポイント
①年次有給休暇の確実付与義務、管理監督者含む労働時間の状況把握義務
 この二つは中小企業でも既に始まっている。
②時間外労働の罰則つき上限規制
 中小企業は2020年度からだが、「国家として死ぬような働き方は許さない」ということであり、真剣に取り組む必要がある。現状を正確に把握することから始まる。
ヤミ残業は、データ偽装と同じ問題。現状把握を損ない経営判断を誤らせる。
③雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保
 中小企業は2021年度からとされている。準備が大変だからだ。
 いまから賃金の各項目を棚卸して、検討を始めなければ間に合わない。


【ご参考:目次】
第1部:「データ偽装」は他人事ではない
紙芝居「新幹線脱線事故の悪夢!」
1.製造業データ偽装はなぜ起きたのか?
2.基本にたちかえろう。 コンプライアンスと不正・不祥事
3.報告遅延はなぜ起きるのか・その対策は?「東洋ゴム免震偽装」
4.悪意と知識不足の連鎖:アクリフーズ農薬混入事件(マルハニチロ子会社)
5.「ノーミス運動」の落とし穴
6.経営者のための「さらに一言」
まとめ:データ偽装に見る働き方改革の必要性


第2部:「働き方改革」ひとまずこれだけ
Ⅰ.なぜ今「働き方改革」が必要か。
Ⅱ.働き方改革のポイント
 1. 「働き方改革」はすでに始まっている(2019年4月施行済)
  ① 年次有給休暇の確実付与義務(厚労省サイトにリンク)
  ②労働時間の状況の把握義務(管理監督者等も対象)
 2.時間外労働の罰則つき上限規制(2020年4月施行)
 3.雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保
  (「同一労働・同一賃金」2021年4月施行)
 4.その他「働きやすい職場づくり」のために


銅鑼猫

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