インフルエンザはなぜ恐ろしいのか。
インフルエンザがなおも猛威をふるっているようです。
インフルエンザの感染者は毎年1,000万人程度(!)と推定されています。
しかし、多くの人は免疫があり、体力もあるので、ほとんど発症にすら至りません。発症しても、数日程度苦しい思いをすれば自然に回復します。最近ならタミフルなどでたちまち熱が下がるようです。
重篤化し命を失うのは、高齢の方などが中心です。実際には他の疾患との競合が多く、後で統計的に見て「たぶん日本では1年で1万人くらいがインフルエンザ起因でなくなったのだろう。」と推計されているのが実態です。
私たちには何が問われているのでしょうか。
まず、自らが感染しないように注意すること(手洗い、うがい、マスク。十分な栄養と睡眠で体力をつけることなど。ワクチンだけが武器ではありません)
そして感染した人には、感染した人にしかできないことがあります。自分のところで何とか食い止めるということです。すなわち、他の人に移さないよう最大限の注意を払うことです。体力のある人なら命に関わることはないでしょうが、不用意に外出などすれば体力のない人に致命的な影響を及ぼす可能性があります。それをはっきり認識し、体を張ってご自分のところで感染を食い止めていただきたいのです。
これは、インフルエンザに限った事ではありません。ちょっとした風邪などでも基礎疾患のある人にとっては致命傷になることもあるのです。不用意な外出は避けること、咳をしながら人ごみに出る等もってのほかです。
健康なあなたにとくにお願いします。自分の愛する家族・友人・親戚、国の宝であるお年寄り、未来の希望である子供たち、その希望をおなかに宿した妊婦さん、基礎疾患に悩まされ不安におののく人々、そのような人々へのまなざしと思いやりをどうか忘れないでください。自分より弱い人に感染させたら致命傷になりかねないことを肝に銘じていただきたいのです。
「あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ。」 (新約聖書マタイの福音書19章19節)
虎猫