未来を見つめて(ジョージ・ブッシュ著)
ジョージ・ブッシュ元大統領(父)が亡くなりました。
「未来を見つめて」は故ブッシュ氏が副大統領時代に刊行された自叙伝です。
大統領就任当時に日本語訳が刊行され読んだことを思い出しました。
原題は、Looking Forward。
Amazon でも中古の出品しか見当たりませんが、図書館などでは在庫があるでしょう。
ぜひ、再度発行していただきたい本です。
手元にないので、記憶をたどって書いています。
第2次大戦時に海軍のパイロットとなり、日本軍に撃墜されて九死に一生を得る。
戦後、石油採掘に従事して財を築く。ブッシュ家では、若いうちに稼いだら、その後は公共のために尽くすというのがしきたりで、政界への進出を決め、下院・上院の議員選挙に挑戦し失敗しながら、最後には頂点を極めるのです。
この本の中で一番印象に残っているのは、ブッシュ氏が共和党上院議員のときのエピソードです。
民主党のジョンソン大統領がベトナム戦争の失敗の責任を取って辞任します。
ブッシュ氏は、自分の信頼できる側近に、自分は何をすべきかと尋ねます。
側近は答えます。「ジョンソン大統領のところにご挨拶にいらっしゃってはいかがですか。」
ブッシュ氏は、辞任するジョンソン大統領のところに挨拶に行きます。共和党の議員の中でジョンソン大統領辞任のときに挨拶に行ったのは、ブッシュ氏だけだったのです。
辞任したといっても前大統領です。ジョンソン氏は、それから、ブッシュ氏のために心を込めて様々なサポートを行うようになります。
失意のときの友こそ真の友になります。
銅鑼猫