toranekodoranekoのブログ

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ときどき大阪弁も出てくる聖書物語もお楽しみに。
主催者のほか様々な協力者も登場します。

ライブの力

2010年6月5日東京藝術大学奏楽堂
上野の森オルガンシリーズ15「フランツ・リスト 栄光と祈り」


 奏楽堂に入ると、舞台正面に巨大な屋久杉のような楽器がありました。
演奏が始まりました。
大気を震わせて、巨大な音塊が押し寄せ、全身がつつみこまれます。と思うと、はるか遠くに、かそけき笛の音が聞こえてきます。メロディーが、ときに切なく、ときに勇壮に浮かび上がり、次の瞬間にはあの複雑に入り組んだ音楽の森のただなかにいるのです。正面の演奏席では、演奏者が手も足もめまぐるしく動かし、見るもすさまじい格闘が繰り広げられていました。


 演奏されたのはリストの5曲。演奏者は3人の先生がたでした。
一つ一つの曲の感想や解説をする力は私にはありません。
ともかく、会場は割れんばかりの拍手。この日このとき、この場にいた幸せを共にし、高揚がさめないままに奏楽堂を後に、上野の森の緑の中を家路につきました。
CDでは絶対に味わえないそのときがあります。これがライブです。


 音楽に限りません。
西武球場プロ野球交流戦。先頭打者の会心の一撃が右中間に飛びました。「白球が尾を引いて」というのはたとえではありません。真実です。
グラウンドの熱気、観客席を揺るがすとどろき、周囲の観客との興奮の共有、ふと気がつくと心地よい風がふきこみ、ビール売りのお姉さんの声も聞こえてきます。
自宅でどんな巨大テレビがあったとしても絶対に味わえない興奮です。


 聖書の世界のライブはいかほどのものだったでしょうか。
紅海の水が巻き上げられ、しぶきにびしょぬれになりながら、エジプトの精兵の追撃を恐れつつ、ただ神を信じて、必死に前に進んだのです。
あの十字架の日、天地が暗黒に包まれ、至聖所の幕が真っ二つに裂かれました。
あの人は真に神の子だったのです。
語る口は違っても、真実が父から息子へ、長老から若者へと言い伝えられていくのです。


昼の十二時ごろ、日、光をうしなひ、地のうへ遍く(あまねく)暗くなりて、三時に及び、聖所の幕、真中より裂けたり。  (ルカ傳福音書第23章44節;文語訳)


【注】2010年6月に東京カベナント教会ブログ「重荷をおろして」に投稿した記事です。
あのオルガンの響き、白球の尾を思いだし、聖書の世界に思いをはせて再投稿しました。


虎猫

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