必ず夜明けが来る―リーダーのひと言―
2011年3月11日
津波は10分かからずにやってくると予想されました。
20分かけて第2避難所の中学校に避難する余裕はありません。
校長先生は小学生たちを屋上の倉庫に避難させます。
津波が押し寄せてきます。一階、二階と水が上がってきます。
一瞬ダメかなと覚悟を決めましたが、辛うじて水はそこで止まりました。
校長先生は屋上の暗い倉庫で子供たちに語りかけます。
「今夜はここで泊まります。他に行くことはできません。
食べるものも水もありません。とても寒くなるでしょう。
でも朝になればきっと暖かい夜明けが来ます。」
リーダーはそのとき事実を正確に告げなければなりません。ごまかしはできません。
その中に明日への希望を一言告げることができれば、必ず人を励まし、勇気づけることができます。
2013年9 月1日防災の日、NHKでは午後から「特集・明日へ被災地の今を知っていますか?」「いつか来る日のために指導者の決断」といった番組が放送されました。
上記の小学校の校長先生の決断もその中で紹介されたものです。
実際に災害が発生したときには、臨機応変な対応を迫られます。体験した方の決断と行動を、いくつかでも心にとどめておきましょう。きっと役に立ちます。
NHKでは、インターネットで、この貴重な証言記録のアーカイブ(保存された資料群)が閲覧できるようにされています。ぜひ一度ご覧ください。
(2024年3月22日リンク修正)
【注】2013年9月東京カベナント教会ブログ「重荷をおろして」に投稿した記事です。
天災だけではありません。
政治の混迷も、大学スポーツの問題も、企業の不祥事もしかり。
その時、リーダーは覚悟を決めて人々に語りかけることが求められます。
その場しのぎでやり過ごすだけの偽リーダーは、早晩淘汰されるでしょう。
否、私たちこそがしっかり見据えて、真のリーダー、偽のリーダーを見分けるのです。
場合によっては、自分の持ち場で、自らがリーダーになることも覚悟して臨むのです。
銅鑼猫