toranekodoranekoのブログ

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明るい高齢化社会、病から得た様々な宝、世の中の動きへの警鐘(銅鑼)を鳴らすこともあります。
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お見舞いの心得

知り合いの方や御親戚などが入院されて、お見舞いを考えるとき、どんなことに注意すべきでしょうか。
以前にも東京カベナント教会のブログ「重荷をおろして」に投稿していましたが、改めて手直ししてみました。あえて過激な書き方をしてみました。
皆さんはどうお考えですか。それぞれの項目について、虎猫の意見を付していますが、ぜひ皆さんの意見をコメントにてお寄せください。


【基本的な心構え】
患者さんは命がけで病と闘っています。一刻の油断もならない真剣勝負です。
健康な方がちょっとばかり考えた程度で対応できるものではありません。
まずこれを念頭に置いて読んでいただきたいと思います。


1.入院されたら、ともかく早くお見舞いに行くべきだ。
⇒間違いです。
お見舞いをしたければ、相手の方のご希望や事情を伺い、そのご意向を100%尊重する。相手の方やご家族から「お見舞いに来てほしい」「行ってほしい」と頼まれてはじめてお見舞いに行く。
「本当は来てほしくないが、お見舞いに行きたいと熱心におっしゃるので仕方なく承諾した。」というケースも現実にありうるのです。有難迷惑であり、状況次第では命取りにさえなりかねないのです。
(理由)
病気によっては、お見舞いに来られることが大きなリスクとなります。感染症対策に万全の配慮を要する場合などです。
また、ご自分の病の姿を人に見せたくないという方もいらっしゃいます。患者さんはやつれた姿を見せたくないので無理に明るくふるまおうとします。健康な時ならともかく、病気の時に明るくふるまうのはとてもエネルギーがいります。病の回復を妨げかねないのです。
特に男性がご家族以外の女性患者を見舞うのは、よほど親しい間柄、よほど重要な事情がない限りは避けるべきだと思います。


2.ではお見舞いに積極的にいくべき場合とは?
⇒ご本人ご家族からぜひにと言われたら、ともかく行くべきです。たとえば、運動大好きの方が骨折して入院した場合など、体は元気で身動きできず、耐えられない場合もあるでしょう。見舞いに来て話し相手になってほしい、と切に願っておられるケースも多いでしょう。
そんなときには、無理してでもお見舞いに行ってあげてください。要するにご本人の希望をよく伺って、それに寄り添ってさしあげることです。
私の友人が交通事故で入院していたとき、見舞いに行くと、ともかく話が次々とはずんで帰らせてくれませんでした。もとは無口な男だったのですが・・。


3.お見舞いの品物。自分は相手の方のお好みを知っているので、その品を持っていこう。虎猫さんは甘党だったな・・
⇒間違いです。
病気によっては、禁じられるものがあります。血糖値が不安定になれば、カロリー管理に万全を期します。病院食以外はすべて禁止される場合もあります。
そんなときに、おいしそうなでっかいケーキを持ってこられたら、患者さんはどう思うでしょうか。
虎猫は甘党です。
先生から「血糖値注意しなさい。『アイスクリーム食べたいな!』と思ってもシャーベットやガリガリ君で我慢しなさい。」といわれ、院内のコンビニに行くと、成分表・カロリー表を見て、涙をのんで、それなりのもので我慢しました。自制心・忍耐心が養われます(「退院したら食いまくってやるゾウ!」と思って、退院してからちょっとやばいことになりました。)


4.お見舞いの定番はお花!
⇒間違いです。いつからこんな間違いが世にはびこったのか、理解に苦しみます(花屋さんごめんなさい。)
花は決してきれいなものではありません。花粉が舞い散ります。ほこりや細菌が付いていることもあります。病気次第では、厳しく禁じられることもあります。
さらに、病気によっては、においに敏感になることがしばしばあります。花の香りも病人には毒になりかねません(次項も参照ください)。
(お見舞いの花については別途稿を改めて書きたいと思います。「お見舞いの花はやめるべきだ」というのが虎猫の意見です。)


5.女性「病院にお見舞いに行くのだわ。きれいに装っていきましょう。」
⇒少なくとも香水や過度のお化粧は避けてください。
エレベーターで女性の見舞客のにおいの強い香水に嘔吐しそうになったことがあります。健康な時には甘い香りに陶然としたのかもしれませんが、病気のときは耐えられなくなることがあるのです。オードコロン程度のものでも不快感を覚える患者さんもおられます。
病院には、あなたのご家族お知り合いだけではなく、様々な方がいらっしゃるのです。


6.少し風邪気味だけれど、せっかくの機会だからお見舞いに行こう。
⇒絶対に避けてください。もってのほかです。
健康な人にとってはちょっとした鼻風邪でも、病人にとっては命取りになることもあるのです。ご自分のお相手がそれほど重い病気でないときなど、つい甘く考えがちですが、直接のお見舞い相手だけではありません。周囲にも状況のまちまちな多数の患者さんがいらっしゃいます。その方々に深刻なダメージを与える可能性があります。
医療従事者がマスクをする理由は、患者さんからの感染を避けるだけでありません。自分が細菌やウイルスを持っているかもしれない、それを患者さんにうつさない、という面が大きいのです。


7.ちょっと気の利いた慰めの言葉はないかしら?
⇒余計なお世話です。患者さんは、生死の境、絶望の淵にいるかもしれないのです。患者の気持ちなど分かるものではない、と考えておくべきです。
「気の利いた慰めの言葉」「自分のひと言で患者さんを励ましたり感動させたりできる」と思うのは、安全な場所にいる部外者の「上から目線」の自己満足に過ぎません。
状況にもよりますが、よく使われる言葉には患者を突き刺す刃となりうるものが少なくありません。
最悪なのは「頑張ってね」です。
患者さんは本当につらい思いをして、これ以上頑張りようもないのです。散々頑張って疲れ果てている患者さんにとって「頑張って」は心を突き刺す棘(とげ)となります。
ではどう言えばよいのか。
余計なひと言はやめましょう。患者さんが話したいことがあるなら、聞いてさしあげてください。静かにしていたい患者さんには、ただ静かに寄り添ってあげてください。


8.携帯電話の扱い
⇒病院のルールに従う。見舞客は病院に入る前にまずスイッチを切っておくのが無難です。
昔は「院内では電源を切れ!」と厳しく注意されていましたが、今は機械の性能や安全性も向上し、携帯メールはOKということもあるようです(但し、携帯でも電話は不可です。電話の会話は周囲の人にとっては不快な騒音であり、決められた場所でだけ認められます)。
看護師さんに伺ってみました。
「今や携帯メールは必須のコミュニケーション・ツールであり院内でも使用を認めている。但し、同じ病室にペースメーカーを装着している人がいる場合などは規制している。」とのことでした。各病院の取り扱いを確認してください。


9.本当に大切な患者さんには、お手紙を書いて差し上げてください。
私が入院していた時、会社の仲間からメールをもらいました。「ゆっくり休んでください。」という簡単な内容だったと思います。涙を流しながら幾度も読み返しました。


10.祈りこそ、最大のお見舞い。
何時でも誰でも何処でもできるお見舞いは、その人のため、ご家族のために祈りをささげることです。病の兄弟姉妹やご家族の癒しと慰めを祈りましょう。


喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい
(新約聖書ローマの信徒への手紙第12章第15節;新共同訳)


虎猫

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